マイナ保険証がないと10割負担? 病院の窓口でまごつかない方法

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スマートフォンに搭載されたマイナ保険証に対応するための機器。右手前にあるのが、スマホに対応するカードリーダー=東京都目黒区で2025年7月2日午後0時33分、寺原多恵子撮影
スマートフォンに搭載されたマイナ保険証に対応するための機器。右手前にあるのが、スマホに対応するカードリーダー=東京都目黒区で2025年7月2日午後0時33分、寺原多恵子撮影

 従来の健康保険証が有効期限を迎え、マイナ保険証への切り替えが進んでいる。だが、実際にそれで医療機関を受診している人は4割に満たない。そもそもマイナ保険証導入の目的や経過措置が十分に周知されているとは言えず、誤解をしたり、不安を覚えたりしている人もいるだろう。いざという時、適切な医療につながるためには、まず情報を整理することが必要だ。

期限切れの健康保険証で受診をすると…

 12月に入り、高熱が出た丸山剛さん(45歳・仮名)は、近所のクリニックを受診した際、受付でちょっと手間取ることになった。

 会社員や公務員が加入する健康保険では、2025年12月1日で従来の被保険者証(健康保険証)の有効期限を迎えた。原則的に今後はマイナ保険証か、資格確認書のいずれかを提示して医療機関を受診しなければならない。ところが丸山さんは健康保険証の有効期限が切れていることに気が付かず、クリニックに行ってしまったのだ。

 ただし現在は、期限切れの健康保険証でも保険診療を受けられる措置が取られている。丸山さんは期限切れの健康保険証を提示したところ診察が可能になり、会計もいつも通りの3割負担で済んだ。

 「健康保険の加入先を確認してもらうのに手間取って、いつもよりも時間がかかってしまいました。マイナ保険証で受け付けした人はスムーズに診察を終えて帰っていったので、こんなことならマイナンバーカードを持って行けばよかったと後悔しました」(丸山さん)

 マイナ保険証とは、健康保険証の利用登録がされたマイナンバーカード。20~23年にかけて、政府はマイナンバーカードの普及促進と消費喚起のためにマイナポイント事業を展開し、22年1月に始まったマイナポイント第2弾では、カードの新規取得で5000ポイントが付与されるだけではなく、公金受取口座の登録で7500ポイント、マイナ保険証の利用登録で7500ポイントをもらえることになった。この期間にマイナンバーカードは飛躍的に普及し、22年1月1日時点では交付枚数が約5187万枚(人口に対する交付枚数率41・0%)だったのに対し、ポイントの申し込み期限が終了した23年9月末時点では保有枚数(交付枚数から死亡や有効期限切れなどにより廃止されたカードの枚数を除いたもの)は約9092万枚(人口に対する保有枚数率72・5%)まで増加した。

マイナ保険証の利用登録をしながら使わないケースも

 丸山さんも、このキャンペーンに乗じて22年10月にマイナンバーカードを取得し、マイナ保険証の利用登録も行った。ただし、取得後もマイナンバーカードを使うことはなく、病院や診療所では健康保険証で受診していた。

 これまでは病院や診療所では健康保険証を提示するのが当たり前だったが、23年6月9日に公布された改正マイナンバー法で、マイナ保険証を中心に公的医療保険の資格確認をすることが決定され、24年12月2日をもって従来型の健康保険証の新規発行が停止されることになった。それにより、従来の健康保険証の有効期限は施行後1年間とされ、その前に有効期限を迎える発行済の保険証については、その時点で効力を失うことになった。

 国民健康保険や後期高齢者医療制度の多くは、先行して25年7月末で健康保険証の有効期限を迎えていたが、被用者保険の健康保険証は12月1日で期限切れとなった。そのため、会社員の丸山さんの健康保険証もこのタイミングで効力を失うことになったのだ。

本来は医療費を全額負担

 今後、公的医療保険の資格確認はマイナ保険証を使うのが原則になったが、マイナンバー法では、マイナンバーカードは本人の申請に基づいて発行するものとされており、必ずしも保有しなければいけないものではない。カードを持つかどうかは本人の自由意思に任されており、マイナ保険証の登録をするかどうかも個人の自由だ。

 一方、公的医療保険の加入者はマイナンバーカードの有無に関わらず、保険診療を受ける権利がある。そのため、マイナンバーカードの申請をしていなかったり、保有していてもマイナ保険証の登録をしていなかったりする人には、公的医療保険に加入していることを証明する資格確認書が自動的に送付されることになった。この他にも、後期高齢者医療制度に加入している75歳以上の人、マイナ保険証の登録解除をした人にも、資格確認書は自動送付される。

 また、高齢だったり、障害があったりして、マイナ保険証で医療機関を受診するのが難しい人は、申請することで資格確認書を発行してもらえる。

 加入者全員に資格確認書を交付している自治体も一部にはあるが、原則的にマイナ保険証の利用登録をしている人に対して資格確認書は交付されない。

 丸山さんは、マイナンバーカードを取得した時にマイナ保険…

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はやかわ・ゆきこ 1992年明治大文学部卒。編集プロダクション勤務をへて独立。主に医療費に関する記事を手掛けており、現在はダイヤモンドオンライン、医療専門誌「医薬経済」などに寄稿している。

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