提供:HPE

KDDI×HPE

加速するAI利活用
基盤整備で支える

写真:藤井 彰人氏/望月 弘一氏

生成AI(人工知能)を利活用する動きが拡大を続けるなか、AIを安定して快適に利用するための社会基盤の整備が急務となっている。KDDIがHPEと連携して2025年度中に堺市で稼働するAIデータセンターもその一つだ。AIとクラウド・ネットワークを融合した次世代情報通信基盤の構築に取り組むKDDI執行役員の藤井彰人氏とこうした動きを技術面から支える日本ヒューレット・パッカード社長の望月弘一氏が基盤整備の重要性やAIを通じた社会変革の行方について話し合った。

通信超えた社会インフラ企業へ

写真:藤井 彰人氏
KDDI株式会社
執行役員 先端技術統括本部長
兼 先端技術企画本部長
兼 先端プラットフォーム開発本部長
藤井 彰人

藤井KDDIは2025年度、新体制のもと「通信を超えた社会インフラ企業」への進化を本格化させています。スマートフォンが社会のあり方を根本から変えたように、AI時代においても、AIとクラウド・ネットワークを融合した次世代基盤の構築を通じて、同様の劇的変化が起きると確信しています。我々は現場を徹底的に重視し、通信とAIを活用することで、地域ごとの課題解決そして顧客の生活体験を革新していきたいと考えています。

HPEと連携して進めている大阪堺データセンターについても、工場跡地の建屋、電力、冷却水などの既設インフラを最大限有効活用することで、通常は稼働まで数年かかるところをわずか1年で立ち上げ、いち早く価値を提供していくことを目指しています。生成AIを活用したAIサービスの開発と提供を加速し、新たな価値創出につなげていくとともに、スタートアップや研究機関との連携も進め、通信とAIの融合によって社会全体の変革をけん引する基盤を築く考えです。

望月HPEはKDDIの先進的なプロジェクトを支えるために、AIに最適化されたデータセンター基盤を提供しています。スーパーコンピューター級の演算能力を持ち、液体冷却方式を採用した最新のサーバーを中核に据えることで、従来型のデータセンターでは実現が難しい大規模かつ高密度なAI処理を可能にしました。単にハードウェアを供給するのではなく、冷却や運用に関する専門的な知見を組み合わせ、今回の大規模な液冷システムの導入・検証・実証を支援しています。NVIDIAとの連携によりGPUを最適に組み込んだAI基盤を構築し、信頼性とパフォーマンスに優れた環境を短期間で実現しました。


NVIDIA GB200 NVL72 by HPE

両社が2025年度内の稼働を目指す大阪堺データセンターには、NVIDIA Blackwellチップを搭載したラックスケールシステム(NVIDIA GB200 NVL72 by HPE)を導入する。「NVIDIA GB200 NVL72」について詳しくはこちら

藤井我々の強みは最高品質の通信と多様かつ多大な顧客とのタッチポイント、そして、そこから生まれてくるデジタルデータです。大規模計算基盤の整備、大規模言語モデル(LLM)の構築、AI利活用というAI事業モデルを一気通貫で展開します。HPEとの協業は、単なる技術導入にとどまらず、AIを活用した社会課題の解決や産業の高度化を支える「共創」の関係です。HPEのグローバルでのマーケティング経験がAIサービスの提供を一層推し進めると確信しています。

「Edge to Cloud」戦略で課題解決に寄与

写真:望月 弘一氏
日本ヒューレット・パッカード合同会社
代表執行役員社長
望月 弘一

望月現在、企業のデータは従来のデータセンターにとどまらず、工場や店舗、通信ネットワークなどエッジで膨大に生成されています。HPEの「Edge to Cloud」戦略は、データとAIを軸に据えたもので、分散したデータをクラウド体験で一元的に管理し、AIによってリアルタイムに最適化することで、企業が迅速な意思決定とイノベーションを実現できるよう支援しています。

日本市場に目を向けると、少子高齢化や労働力不足、脱炭素化といった社会課題を背景に、データとAIの活用は極めて重要です。特に通信、自動車、製造といった主要産業で、エッジで生成される膨大なデータをAIで即時に活用する動きが加速しています。HPEの高性能コンピューティング(HPC)やAIサーバーを活用して画像認識AIの開発を高度化し、安全性能のさらなる向上を目指すSUBARUの取り組みやタイヤ開発プロセスにAIとシミュレーションを導入し、開発の高速化と製品性能の最適化を実現しているTOYO TIREの事例は、日本企業が「データとAIを軸にしたEdge to Cloudの考え方」を実際に取り入れ、産業競争力を高めると同時に社会課題の解決に寄与している好例だと考えています。

※1. SUBARU事例はこちら
※2. TOYO TIRE事例はこちら

藤井KDDIでは業界ごとにそれぞれのニーズに合った形でソリューションを展開しており、それが「WAKONX(ワコンクロス)」です。通信分野ではAIによるネットワーク最適化や障害予測により、安定性と効率性を向上させていくほか、モビリティ領域では地域のラストワンマイルとなるバスや物流を担うトラックの自動運転の実証に取り組んでおり、ここにAIを掛け合わせることで、安全かつ持続可能な交通社会の実現を目指しています。

25年7月には高輪ゲートウェイシティに本社を移転し、パートナーと共に「未来への実験」も始動しました。街には様々なデータがあふれており、それらと通信・AIを組み合わせることで、複数の用途でエコシステム的に活用することが可能となります。そこで得た知見から社会実装を行い、様々な都市への展開もしていきます。

WAKONX(ワコンクロス)

AI時代のビジネスプラットフォーム「WAKONX(ワコンクロス)」。「WAKONX」について詳しくはこちら

望月顧客がデータとAIを活用し、ビジネスの成長だけでなく社会課題の解決にもつながる成果を生み出せるよう支援する取り組みは、弊社のフラグシップイベント「Discover Las Vegas 2025」で発表した『Unlock Ambition ~挑戦する意志が変革を生む~』というビジョンにも重なります。AIファクトリー・ソリューションは企業や公共機関がAIを安全かつ迅速に導入し、実際の事業価値へと結びつけるための包括的な技術基盤であり、AIを活用する上で必要なインフラ、ソフトウェア、運用管理までを統合しています。AI技術に精通したコンサルタントが試行段階から利益や成果の創出までしっかりと支援します。世界のスーパーコンピューターランキングで上位3台を構築した実績やエネルギー効率の面から高い評価を得ている冷却技術のノウハウも大きな強みと言えるでしょう。

Discover Las Vegas 2025

同社の連携は、HPEはフラグシップイベント「Discover Las Vegas 2025」で紹介された。プレスリリースはこちら

第四次産業革命をすべての企業に

藤井生成AIは社会やビジネスの構造そのものを変革する力を持っています。ただ、日本で生成AIやLLMを活用する際にはセキュリティーとソブリン(主権)性の確保が極めて重要で、安全保障や技術育成、デジタル赤字の観点からも国内事業者が主導するAIデータセンターやクラウド基盤の整備が不可欠です。

KDDIは30年以上にわたり「TELEHOUSE」のブランド名でデータセンターを国内外の主要都市45拠点以上に展開し、地域事情に考慮したシステム環境を構築してきました。海外ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)とも連携しながら日本国内へのAIデータセンターの投資を進め、国内で生み出されたデータやAIの知見を循環しやすくし、利便性とソブリン性の両面を追求していきます。私たちが目指すのは、あらゆる産業・地域・人々がAIの力を活用・享受できる環境を整えることです。未来の社会インフラとしての通信のあり方を再定義し、技術と社会の架け橋として、誰もが安心してAIを活用できる持続可能な未来の創造に挑戦し続けます。

望月蒸気機関が第一次、電力が第二次、コンピューターとインターネットが第三次の産業革命をけん引したように、生成AIは「第四次産業革命」を推し進める技術です。一方で、生成AIの活用が広がるほど、扱うデータの価値とリスクは増大しており、セキュリティー、データ主権、スケーラビリティーといった課題に直面し、本格導入には慎重な企業も少なくありません。HPEの使命はこうした障壁を取り除き、AIを一部の先進企業だけでなく、すべての産業・企業に行き渡らせる「触媒」となることです。日本の顧客が安心して生成AIとLLMを導入できる堅牢なインフラと統合運用基盤を提供することで、第四次産業革命の担い手として、日本の持続的な成長と社会変革を支えたいと思っています。

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