シェル ロンドン発祥の多国籍メジャー 宮川淳子
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Shell plc 長期で安定 LNGに重点/180
シェルは石油や天然ガスの探鉱、開発から、輸送、精製、販売までのプロセスをすべて行う総合エネルギー企業だ。総資産は約59兆円で、約70カ国で事業を展開する多国籍企業。ロンドンのほか、ユーロネクスト・アムステルダム、ニューヨーク証券取引所に上場している。
貝殻を意味するシェルの社名は、19世紀にロンドンで骨董(こっとう)品を扱っていた創業者が、東洋産の貝殻の輸出入を行っていたことに由来する。石油の輸出業に参入してからは、蒸気船の輸送船隊を建造し、本格的に事業を拡大した1907年にオランダのロイヤル・ダッチ・ペトロリアムと合併し、米国のエクソンモービルなどと並ぶ国際石油資本(メジャー)の一社となった。
2025年12月期末時点の同社が持つ原油資源の確認埋蔵量は81億バレルで、日本の石油開発最大手であるINPEXの2倍以上の規模がある。確認埋蔵量は、経済的、技術的に採掘可能と評価された、発見済みの地下に存在する原油の量で、現在のシェルの生産量全体に換算すると可採年数(採掘可能年数)は約8年だ。ウクライナ戦争勃発後に原油価格は急騰したが、その後、数年で原油価格が下落した。
石油・天然ガス業界では、事業を川の流れに例えて、油田の探査や掘削、生産などの初期段階を上流と呼んでいる。シェルの上流セグメントは、原油を日産182万バレル生産し、ブラジルやマレーシアなどでは、深海を含めた原油・天然ガス探査プロジェクトを行っている。下流の「販売」セグメントは、世界各地に4万店を超えるシェル・ブランドのガソリンスタンドがある。
LNG販売拡大
資源エネルギー庁の「エネルギー動向(2025年6月版)」によると、1973年の第1次オイルショック以降、世界の石油生産量は増加が続き、特にサウジアラビア、イラン、イラク、クウェート、アラブ首長国連邦、ベネズエラ…
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週刊エコノミスト
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