教養・歴史 書評

脱植民地化の原点と『ジャッカルの日』の真実 君塚直隆

 アルジェリア戦争。この事件名を聞いてピンとくる読者は、かなりの国際政治史の「通」である。多くの人が忘れがちであるが、北アフリカのアルジェリアは1世紀以上にわたってフランスの植民地であった。

 イギリスの植民地経営が、比較的現地に任せるスタイルを取ったのに対し、フランスは本国からの入植者たちが現地に浸透するケースが多かった。それが、第二次世界大戦後にインドシナ(ベトナム等)、そしてこのアルジェリアでの独立戦争が、長期化・泥沼化する原因となった。

 黒田友哉『アルジェリア戦争 フランスと戦後世界をつくった植民地独立闘争』(中公新書、990円)は、1954~62年にフランスはもとより、周辺地域を大きく揺るがせたこの戦争の原因・経過・結果を余すところなく教えてくれている。

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