刺繍アートに刺激されて生まれた官能的で爽やかで愛らしいゲイ青年の“夏の思い出” 月永理絵
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映画 ドランクヌードル
夜の公園で、男たちは見知らぬ相手と欲望をぶつけ合う。闇の中、無言でうごめく裸体に思わず胸がドキリとした。乱暴なセックスが、不穏な事件の始まりを感じさせたからだ。だが予感は裏切られた。手早く事を終えたふたりは、テークアウトの麺料理を食べ、和やかに会話を交わし始める。張り詰めた緊張はいつしか親密で気楽な空気に変わり、心がふっと軽くなる。
夏の間、ニューヨークのブルックリンにある叔父の家に滞在することになった美大生のアドナンは、昼はギャラリーでインターンとして働き、夜はアプリで一夜限りの相手を探す。そうしてデリバリーの配達員をしているヤリエルと出会う。ゲイの男性が匿名で相手を探す、いわゆるクルージングによって出会ったふたりは、セックスの後に名前を伝え、徐々に関係を築いていく。恋の始まりとは違うけれど、美しい関係の始まりだ。
映画は4章仕立て。アドナンがさまざまな場所で男た…
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週刊エコノミスト
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