インタビュー「ホルムズ封鎖長期化で原油200ドルの恐れも」今井尚哉・内閣官房参与、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹
有料記事
安倍晋三元首相の秘書官として中東外交やエネルギー政策を間近に見てきた今井尚哉氏に、イラン戦争の経済への影響を聞いた。(聞き手=安藤大介/和田肇/稲留正英・編集部)
今井尚哉〈いまい・たかや〉内閣官房参与、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 1958年生まれ。82年東京大学法学部卒業、通商産業省(現経済産業省)入省。第1次安倍内閣の首相秘書官、資源エネルギー庁次長などを経て2012年、第2次安倍内閣首相秘書官に就任。19年から首相補佐官も兼務。20年に退任後、内閣官房参与に就任。東京都参与などを兼務。
>>特集「エネルギー13の盲点」はこちら
── 今回のイランによるホルムズ海峡の封鎖をどう見るか。
■私の通商産業省、そして、首相秘書官時代を通じても経験したことがない危機だ。イランは過去の中東戦争、イスラム革命による体制転換やイラン・イラク戦争を経て、ホルムズ海峡を封鎖したことは一度もなかった。イランは人類の共通財産である石油を湾岸諸国が輸出する際は、自分がその要衝で世界秩序を乱してはいけないことを非常に自覚している国だ。だから、何もなければ、無条件に船舶を通過させる。
ただ、不幸なことに、イスラエルという宗教・地政学上の対立者が近くにいて、しかも、核兵器を持つとされる。イランは国是として核兵器を持つ意志はないが、いつでも持てるとのポーズをとっているのはそうしないと抑止力にならないからだ。
2018年5月に米国がイランとの核合意から離脱した後も、安倍晋三首相はフランスのマクロン大統領も交え、この問題を何度も、トランプ大統領と話した。欧州は、イスラエルとの関係が安定すれば、イランは核兵器を持つ意志がないことを理解している。日本も同じ立場だ。
イスラエルの訴え
── それなら、米国はなぜ、攻撃に踏み切ったのか。
■イスラエルは米国に繰り返し、イランの核兵器製造疑惑と意志を米国に訴え続けた。…
残り2302文字(全文3102文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める









