憲兵から逃れ放浪、指をオノで切断…… いまも見えぬ徴兵忌避者の姿
昭和史スケッチブック
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1943年の暮れも押しつまったある日の朝、その男は群馬県伊勢崎市近郊の実家から出奔した。村山善太郎という名の、30代なかばの未教育補充兵である。
徴兵検査に合格しながら、入営経験のない「在郷軍人」が太平洋戦争の前までは数多くいた。村山もその一人だったが、戦局の悪化とともに周囲の者たちはどんどん出征していく。次は自分の番だと思うと、恐怖におののいた。
この逃避行の一部始終を、社会運動家の菊池邦作は...
「昭和」のさまざまな物語がよみがえる100年の節目。その片隅の出来事をスケッチします。









