住宅ローンの基本 仕組みと考え方を知る
マネーの知識ここから 住宅ローン(1)
・借りられる金額や金利は、金融機関による事前の審査で決まる
・返済に余裕が持てる借入額は年収の5倍以内が目安
住宅資金は教育資金、老後資金とならび「人生3大資金」といわれます。家を買うには、物件価格分の資金に加え、売買契約にかかる費用や不動産の税金、各種の保険料といった「諸費用」が必要です。「頭金」として購入時に物件価格の一部を支払うことがありますが、一般的に足りない分は住宅ローンで借りることになります。

住宅ローンとは、自宅として戸建て住宅やマンションを購入するときに利用できるローンです。原則として、契約者本人や親族が住む住宅の取得資金に利用します。自宅のリフォームや借り換えのときも利用できますが、賃貸目的の物件や店舗などの購入には利用できません。
一般に、住宅ローンの利用者は、自宅として購入した物件を担保に金融機関から資金を借り入れます。高額な借り入れとなるため、35年など長期間に渡って分割で返済します。万が一返済が滞ると、金融機関は担保物件の売却などにより資金を回収します。

住宅ローンには、銀行や信用金庫、信用組合など民間の金融機関が独自に提供する商品や、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して扱う長期固定金利の商品などがあります。
利用の際は、事前に金融機関による審査があります。金融機関は、住宅ローンの利用者が滞りなくローンを返済できるかどうか、申込者の年収や年齢、健康状態などを確認します。審査によって、借りられる金額や金利が決まります。

半数超が5000万円以上を借り入れ
近年は、物件価格の上昇に伴い、住宅ローンの借入額が多くなる傾向にあります。リクルートが首都圏の新築マンション購入者を調査したところ、23年の購入者のローン借入総額は平均5235万円で、05年以降で最も高くなりました。52%の人が5000万円以上のローンを組んでいます。

ローンを組まず全額キャッシュで買った人も1割程度いますが、平均では物件価格の2割程度の自己資金を用意し、8割ほどをローンで借り入れた結果になっています。

年末の住宅ローン残高の一定割合を所得税・住民税から控除する「住宅ローン控除」の恩恵を受けるため、購入時はあえて自己資金を少なくし、借入額を多くする人もいます。ただし「借りすぎ」には注意が必要です。
「借りられる」額と「借りていい」額は違う
審査により金融機関が契約者に貸せると判断する金額と、自分が「借りていい」金額は、必ずしも一致しません。将来のライフプランは予測不可能な面があります。転職などによって収入が減少したり、子どもが増えたりすれば、ローン返済に回せる金額はもっと少ないかもしれません。

返済に余裕を持てる借入額は、一般に年収の5倍以内が目安といわれます。金融機関は年収の7倍程度までを貸出可能と判断するケースが多いようです。ただし年収の7倍の金額を借りると、教育資金や老後資金に影響すると指摘する声もあります。定年までに完済できるか、定年以降にローンが残った場合でも退職金を使わず完済できるかといったポイントを検討することが大切です。
多くの人が迷う金利タイプ
住宅ローンの金利には、変動型と固定型があります。変動型は一般に、半年ごとに金利を見直します。固定型は10年、全期間といった決まった期間の金利変動がない商品です。
基準金利から優遇幅を引く適用金利
住宅ローンには基準金利があります。実際の適用金利は、契約者の信用力に応じて、基準金利から一定幅が引き下げられて決まるのが一般的です。

毎月の返済額を一定にする借り方が一般的
住宅ローンを借りるとき、毎月の返済額がいくらになるかを必ず考えます。金利が同じなら、毎月の返済額が一定になるのが「元利均等返済」という方法です。

万が一の際、住宅ローンが完済される保険
住宅ローンは借入額が多額になり、返済期間も長期に及びます。万が一の際に保険金でローンが完済されるのが、団体信用生命保険です。

共働き夫婦のペアローン、離婚にリスク
物件価格の上昇に伴い、若い世代に増えているのが、夫婦でそれぞれ住宅ローンを借りる「ペアローン」です。一人より多く借りられるメリットがある一方、離婚時には協議が必要になるなど、リスクもあります。

















