新連載小説、中島京子「ポワールのソルベ」10月6日から

連載小説、有栖川有栖氏の「折れた岬」は10月4日で完結し、6日から中島京子氏の「ポワールのソルベ」を連載します。
本作は高齢男女のラブストーリー。シニアが直面しうる様々な問題も織り込みながら、「老いと愛」を喜劇的に描きます。ポワールはフランス語で梨、ソルベはシャーベット。老人の皮膚の様子、あるいは老人自体のことを表す「凍梨」という単語から連想されたものです。
中島氏は1964年東京都生まれ。2003年に「FUTON」で小説家デビュー、10年に「小さいおうち」で直木賞を受賞しました。これまでも高齢者の認知症、日本の出入国管理制度の在り方など、社会派のテーマを温かな目線で描き続けてきました。
挿絵は大胆なデフォルメが印象的なイラストを描く村田善子氏が担当します。
作者の言葉
ポワールというのは梨のフランス語名で、ソルベはご存じのようにシャーベットのこと。
いきなり、ネタバレですが、これは「凍梨」という言葉から発想しました。霜で凍った梨の実が、しみの浮き出た老人の肌のように見えることから、老人のことを指すようになりました。といっても、ほとんど聞いたことがありませんね。
でも、高齢者を呼ぶ言葉はどれも直接的であまりいいものがなく、そんな中で凍梨はなかなか、悪くない言葉の響きのように思えました。梨のシャーベットみたいな感じ? 正確には、凍梨は老人の皮膚の比喩ですが、シニアを意味する言葉として、イメージアップを図れそうな気がしたのです。
小説の内容は、凍梨の恋、です。主人公は八十歳の男性と七十七歳の女性です。ロマンチック・コメディのようになるといいなと思っています。
世の中が進むスピードがものすごく早いので、わたし自身、なんだかとつぜんおばあちゃんになったように感じることの多い今日この頃ですが、そうした戸惑いと、それでも楽しく生きてやるぞという思いを、登場人物たちに反映させて書いてみます。村田善子さんのイラストにクスッと笑わされつつ、書き進んでいます。
シリーズの記事を読む
- 第5回中島京子「ポワールのソルベ」(5)

- 第4回中島京子「ポワールのソルベ」(4)

- 第3回中島京子「ポワールのソルベ」(3)

- 第2回中島京子「ポワールのソルベ」(2)

- 第1回中島京子「ポワールのソルベ」(1)

- 新連載小説、中島京子「ポワールのソルベ」10月6日から














