NIKKEI Primeについて
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合同会社フィンウェル研究所 代表
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7年前、私が会社を起業して最初に直面したのが銀行口座の開設でした。マネーロンダリングなどの不正を念頭に置いた業務のチェックのため、通常の開設手続きが2~3週間かかるということでした。合わせてホームページはあるか、固定電話はあるかと聞かれて、「これから会社の業務を始めるところで、しかも今どき固定電話か、厳しい条件を求めるものだ」と思っていました。AIを使っての企業の分析で口座を即日開設できるようになれば、私のような弱小起業家にはメリットが大きいと思います。ただ、マネーロンダリングのチェックのためには継続的なレビューも求められるのではないでしょうか。
毎月分配型投信の功罪を整理すべきだ。毎月の分配は、行動経済学が指摘する行動バイアスを誘発しやすく、それだけで投資家を誘う力がある。販売会社は、売りやすい商品が顧客の利益につながるかという点を吟味して投資家にアプローチすべきだ。単に「タコ配だからダメだ」という一元的な批判は当たらない。そもそも退職世代の資産の取崩しは、元本も対象にすることから「意識的なタコ配」だと考える。その商品を、取り崩しを必要としない現役層に販売することが課題であり、販売会社の節度が求められる。商品性と販売のミスマッチが、毎月分配型投信の本質的な課題だ。まさしくプロダクト・ガバナンスの問題だといえる。
1981年、ダウ平均がそれまで18年間突破できなかった1000ドルを上回った。そこから調整を繰り返しながらも長い上昇相場が続いている。米国株式市場の死の時代からの再生とその後の長期上昇の原動力は、投資家層の拡大だと考える。貯蓄世代と言われる35歳以上の人口比率が上昇に転じたのが81年だ。日本もNISAなどの制度整備で、若年層の投資家が増えてきたことが相場上昇の岩盤だろう。米国市場が教えてくれることは、インフレ、金余りの収束などマクロ環境の変化はあっても、相場を支えるのは投資家の持続的拡大だということではないか。投資家の離反を招くことこそ、気をつけなければならない。
「リスナー」という響きが好きです。情報を受け取る側からすると、音声だけより映像を使った方が印象に残ることが多いと思います。だからこそ情報を発信する側からすると、ある事象を言葉だけで説明することは本当に難しく、それだけに面白いと感じています。資産の取り崩しというニッチな分野で啓発活動を続けていますが、聞いていただける年齢層との親和性もあってラジオやポッドキャストという媒体が重要だと思っていたのですが、この記事のようにもっと広がりのある媒体として認識すべきなのでしょう。一段と興味が湧きます。
個人投資家の売買が増えていて、それに新NISAが一役買っているのは間違いないだろう。ただ、年代別の名寄せ後の株主数が20代で2年前比44%増の77万人とのことだが、その年代のNISA口座開設者数は25年6月末で313万人だ。新NISAでの投資の主力は投資信託で、個別株はまだまだ少ない。個人投資家の売買というデータには、やはり株高の基調の方が大きいのではないか。
この制度のポイントは、若年層の資産形成を促すことと、政府が新生児に一律1000ドルを拠出することだ。前者は、日本で廃止となったジュニアNISAと同じ発想。18歳まで引き出せないことが忌避された。米国ではどうだろうか。日本で忌避されたものが、米国でうまくいくのなら、その違いをわれわれはしっかりと分析する必要があろう。後者では、同様の制度が英国にあった。ジュニア・トラストと呼ばれ、こちらも廃止となった。理由は、出生時の拠出(確か700ポンド)だけで、その後追加拠出できない家族が多くあり、金融機関に負担だけが残ったことが嫌気された。格差を是正する試みが、格差を拡大させる可能性もある。
「退職金は給与の後払い」だといわれるものの、記事が指摘するように、多くの人がその受取金額を認識していない。後払い化を廃止して給与に上乗せするのは、理屈としては過不足がないように映る。しかし退職直前になると退職後の生活資金として重要性を増す退職一時金を、その時に向けて若い時代からうまく作り上げられるだろうか。上乗せされた給与からその分を貯蓄や資産形成、自己投資に回せといわれても、すべての従業員ができるわけではない。iDeCoでは、「退職まで引き出せないのは嫌だ」と敬遠され、企業型DCも拠出上限が十分とは言えない。制度的な対応から個人の意思に任せることに伴う課題をしっかり整理する必要がある。
「戸籍などの全国共通の事務は国や都道府県が吸い上げ処理する」アイデアは必要だと考える。加えて、自治体間で共有できる業務があれば、複数の自治体で共有して処理してはどうか。ちょうど終わったばかりだが確定申告の受付とか、給与計算、福祉や税の情報処理、またはコールセンターなども可能かもしれない。もちろん共通化しにくいものもあるはずだが、できる範囲はかなりあるはずだ。すべてを自前で抱えるレガシーシステムをクラウド型にするというのは、産業界ではとっくに進んでいること。公務員不足が深刻化する自治体にも適用できないだろうか。
恥ずかしながら、「独身税」も「子ども・子育て支援金」も先日まで知らなかった。小さいながら会社を経営していると、給料日は従業員として受け取る日だけでなく、事業主として支払う日でもあり、会社は毎月、健康保険料・厚生年金保険料とともに「子ども・子育て拠出金」を支払っている。「拠出金」は全額会社負担で、以前の児童手当拠出金が2015年に改称・拡充されたものとのこと。これに4月分からは「支援金」も負担する。また「支援金」は従業員も負担する。そっと負担を増やすという印象を持たれて「独身税」批判を受けるのではなく、資金使途の明確化で納得感を醸成して欲しいものだ。
「持ち家か賃貸か」はいつまでも尽きない議論ですね。どちらも昨今コストが上昇しているのはわかりますが、その総額が2000万円になっているとはちょっと驚きです。おおむね2‐3割増といったところでしょうか。そうなると、単にコストの比較だけでは、どちらが良いのか決められないのではないかと思います。実は、フィンウェル研究所が行っている「60代6000人の声」アンケートでは、60代の「持ち家の人の生活全般の満足度は賃貸で生活する人よりも高い」という結果が出ています。現役時代の議論はとかく金銭での比較になり勝ちですが、退職後の生活満足度という視点も比較の項目に入れる必要があると思います。
「2地域居住」という言葉はちょっと重い。私は「2拠点生活」と呼んでいる。「居を構えるかどうか」ではなく、“その土地で生活してみる”程度の軽さがいい。60代を対象に「資産の取り崩しインタビュー」を続けているが、多くの人が2拠点生活を楽しんでいる。退職後は気ままに複数の生活拠点を行き来できる。農業をやりたい人、地方でリモートワークをやりたい人、単にのんびり過ごしたい人、なんでもいい。拠点の往来で本人にゆとりが生まれ、地元にメリットがあるのなら、制度に縛られないで自治体がもっと柔軟に対応できるようにしてはどうか。ふるさと納税の2匹目の泥鰌を狙っているように思えるのが気になる。
アプリ利用では、高齢顧客が距離を置きかねないため、アプリ専任にしないことが大切ではないか。現在は認知・判断能力低下を確認するための第1線を80歳という「年齢」にしているが、これをアプリの判断に切り替え、懸念があれば人が確認する流れにすると良いだろう。その効果に期待は大きい。成年後見制度で高齢者の保有する有価証券が預金化されるのは、「貯蓄から投資へ」の流れに逆行する。予約型代理人サービスや家族サポート証券口座など、認知症発症前に対応できる制度が徐々に広がりつつある。早めの判断は、突然、認知症に陥って口座が凍結されることを回避でき、事前にしっかり準備ができるメリットをもたらす。
この論考は、「人口増加に課題があり、人口減少にも課題もある。しかし悲観だけでなく可能性も見いだせる」と指摘している。国や地球規模での可能性は納得できるものの、例えば市町村レベルといった単位も可能だろうか。従属人口指数の持つ意味合いは、町村レベルでは年齢基準を少し変更しても大勢は変わらない。生産性の向上や人工知能の加速も、主力となる産業があっての効果ではないか。人口減少は国としての課題解決は可能であっても、地方の現状を支えるものにはなりえない懸念もある。個々の単位の大きな変化は、国や地球規模の有り様を大きく変えることは避けられないではないか。楽観はできない。
大学入学費用と授業料を、NISAを使って早くから準備する意味は大きい。ただ、「目標金額を定め期待収益率を置いて毎月の積立額を設定する」アプローチは、常に期待収益率と目標金額が気になることになる。それより、年収のなかから教育資金準備にどれだけ回せるかを想定して、「目標額の達成度合いは積立投資の結果次第だ」と距離を置くのが気楽ではないか。「資産形成額=年収×資産形成比率」と設定し、資産形成比率を一定において、教育費に回す金額を先に考えてみてはどうか。年収が上がればそれに応じて資産形成額を増やすと決めて、それを守ることに注意を払えば、上る山の高さばかりを気にしないアプローチになるはずだ。
記事の趣旨に賛成です。在職老齢年金制度の改正の議論には、単に年金財政だけではなく、高齢者の勤労という視点に立てば所得税の歳入の視点も必要になります。在老の撤廃に伴う年金支給の減額抑制が年金財政を悪くするといわれる一方で、高齢者が所得を増やせば所得税の増加が期待されます。何より記事にある50万人に相当する高齢労働者が、より多く働こうとするのであれば日本経済全体にも好影響があるはずです。また繰下げ受給の促進を考えるなら、受給繰り下げ期間中の計算には在老の制度を適用しないといった対応も考えられます。スピード感を持って改正をしてほしいものです。
大切なのは、記事の中にある「将来的には文理の区別をなくすことを目指す」ことではないか。文系か理系かは大学入試には意味があるかもしれないが、将来、仕事をしていくことを考えると、どちらもできる、またはどちらと分けないでできる、ことが重要になろう。既に多くの人がそう感じているはずだ。40年を目指すのではなく、早めに方向感を打ち出す必要がある。
SNSで偽・誤情報が拡散するのをどう止めるか。完全に止める方法がないとはいえ、減少させる方法はあるはずだ。例えば、拡散させ、「いいね」の数で収入につながる課金システムを選挙期間中だけでも認めないようにすることはできないだろうか。または逆に、既存のSNSの枠内で、拡散自体が課金につながらないボランティアの枠を作れないだろうか。その枠の情報は、課金システム内の情報より信頼度の高いものとみなすことができるはずだ。SNSの効用を重視しながら、儲けに走ることを自重させる方策を探るべきだろう。
当初10年、その後5年に1回の住所確認は大切ではあるが、2700万口座にも上ると、その負担は小さくないのだろう。通常業務のなかの年間取引報告書の返送を起点にして住所変更の届け出有無を確認する方法は、NISA制度維持の負担を少しでも軽減する改正として前向きに考えている。なお、この改正ポイントは、細かい点に厳格なルールがあることにも気づかせてくれた。他にも、これに類するようものがあるのではないだろうか。どんどん声を上げて、少しでも効率のいい、使い勝手のいい制度にしてくべきだろう。
記事にある最後の「今後の課題は?」の内容が大切なポイントです。資産形成で作り上げた資産を高齢期に入ってリスクの低い投資対象に切り替える時、より手数料の低い投資信託や新しいタイプの投資信託に乗り換える時に、スイッチングが可能になるような仕組みは、新NISAが使われるようになればなるほど必要になります。こうしたスイッチングは、高齢者向けといわれますが、実際は現在の現役層が将来退職を迎えるときに準備されているかどうかがポイントです。まだ時間があるとのんびり構えないで、必要な改正は早く行って、その使い方を周知できるようにすることが大切です。
これは受験生とか、子どもだけのものではないかも。「姿勢が悪くなる」のを防ぐ「ふんばるず」なんて、私もPCの前で仕事している時にあるとよさそう。
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野尻哲史
合同会社フィンウェル研究所 代表
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【注目するニュース分野】資産活用、資産の取り崩し、地方都市移住
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