転移がんに放射性治療薬、多くの患者へ恩恵を…普及助ける新装置
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転移した前立腺がんへの効果が期待される放射性治療薬「プルヴィクト」(ノバルティス)が、昨年秋に日本でも承認された。前立腺がんに特有のPSMAというたんぱく質を標的として病巣に集まり、放射線でがん細胞をたたく。
待ち望まれていた新薬だが、国内での普及には大きな課題がある。放射性治療薬を扱える病院は限られ、扱う量も病院ごとに上限があるのだ。各病院では、患者の尿を地下のタンクなどにため、放射能の減衰を待って排水する。タンクの容量が、扱える放射性治療薬の量の大きな制約となる。簡単には増やせない。
この課題の解決に向け、尿中の放射性物質をカラム(円筒形の器具)に吸着して取り除く新装置を、東京の新興企業(スタートアップ)などが創り出した。10時間の処理で、タンクに44日間保管したのと同じレベルまで放射能を下げられる。

開発の経緯を取材してみると、東京電力福島第一原子力発電所事故と苦闘してきた人々の経験や技術、思いが深く関わっていた。
開発の始まり…ALPSみたいに
放射性物質を組み込んだ治療薬は、甲状腺がんなどを対象に20世紀半ばから使われ、国内では治療できる施設の不足が長年の課題となってきた。そこへさらに加わるのが、患者数の多い前立腺がんを対象とするプルヴィクト。2025年度中に承認されるとの見方が、24年初めには広がっていた。

福島県立医科大のタンクは余裕があるが、志賀
放射性医薬品の合成装置などを手がける北海道大学発スタートアップ「AMS企画」(東京都港区)の菅原雄一郎社長(51)が、これに応じた。
混入物が多い液体の浄化…被災地の除染で培った技術
24年5月末、菅原さんは東電の子会社、東京パワーテクノロジー(TPT、東京都江東区)を訪れ、共同開発を提案した。TPT環境事業部の西山敬太郎・事業部長代理(60)はその場で「やりましょう」と即決した。実は、菅原さんから面会のアポを受けた時点で、すぐに上司の森尻謙一常務(62)と相談してあった。森尻さんは「価値のある挑戦だと思った。こういうのは直感」と振り返る。

TPTは、原発事故の被災地で除染や復興に携わってきた。自らも東電に勤めたことのある菅原さんは「放射性物質が水に溶けているだけなら、その除去は大して難しくない。しかし、尿にはたんぱく質など様々な物が混じっている。除染の廃水やため池の水などの浄化を行ってきたTPTの蓄積が生かせる」と見込んでいた。
正解だった。混入物の多い液体から放射性物質を確実に除去するために、どんな材料や方式を採用するのがよいか、やみくもに試す必要はなく、方向性はすぐに見えた。開発は急ピッチで進み、秋には尿中の放射性物質を99%除去する実験に成功した。
生産は福島の企業に
両社は製品化のめどが見えてきた25年初め、生産を福島県郡山市の企業「グローベル」に委託することを決めた。原発事故後、TPTとともに除染などを手がけてきた会社だ。物作りの実績はないが、放射性物質を適切に管理することの重要性を肌で感じている。それが大きな決め手だった。
「中に放射性物質が流れ、それを漏らしてはいけない装置。製造過程で放射性物質を使うわけではないが、放射性物質の取り扱いを分かって作るのと、そうでないのとでは全然違う」と、菅原さんは説明する。「我々の協力会社として、本当に助けてもらってきた」(森尻さん)、「福島の企業にやってもらう意義がある」(菅原さん)といった東電関係者としての思いも重なる。

グローベルはもともと飲食業として設立され、登記上の本社は原発に近い富岡町にある。鈴木
料理とは全く異なる分野だが、菅原さんは「


























