トイレの不安に社会の理解を!…「炎症性腸疾患」患者の悩みは深刻だ
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安倍晋三・元首相も患者だった「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」
IBDは、主に「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」に分類されます。前者は大腸に、後者は大腸、小腸、肛門周辺など消化管のどこにでも起こる腸の炎症で、どちらも腹痛や下痢、出血(血便)、疲れなどの症状が表れます。
ともに原因不明で、国の指定難病になっています。10~20代の若い時期から発症することが多く、2018年の疫学研究によると、患者数は潰瘍性大腸炎が22万人、クローン病が7万人を超えるそうです。安倍晋三・元首相も、潰瘍性大腸炎を患っていたことを公表していましたね。
これらの病気を完全に治す根本治療はなく、重症化すると手術が必要な場合もありますが、炎症の原因物質を抑える生物学的製剤の登場で、患者さんは、ほぼ無症状の「寛解」状態を保てるようにもなりました。
それでも患者さんにとって、外出や旅行の際の「トイレの悩み」は深刻です。日比さんは「IBDの症状の一つである『便意切迫感』により、外出や旅行に対して不安や気後れを感じる患者さんも多く存在すると考えられます」と言います。
イベントを楽しめない・長距離移動では飲食せず・ナプキン着用も

記者発表会では、そうしたIBD患者さんの一人、安達涼子さん(仮名)が体験を語ってくれました。外出先・旅行先のエピソードとしては、以下のような不便があるそうです。
・車の運転中におなかが痛くなり、コンビニのトイレに駆け込んだことがある
・症状がある時は、トイレの回数が1日10回を超えた。
・人気スポットやイベントなど混雑する場所に出かけても、トイレの心配や疲れやすいことが理由で、心底、楽しめない。
・長距離バスに乗る際は、車内にトイレがあったとしても一つしかなく、使用しにくいため、飲食を一切控えて乗るようにしている。
・寒い場所や長時間トイレに行けない状況が分かっている時は、トレーニングパンツとナプキンを着用することもある。

こうした患者さんの悩みを受け、アッヴィでは2022年5月から、「I know IBD プロジェクト」をスタートさせました。IBD患者さんが外出する時のトイレの不安に対し、トイレの貸し出しに協力してくれる企業・店舗を募り、社会全体でのIBDへの理解向上を目指す取り組みです。その結果、この1年で、全国47都道府県で78社の2227店舗(5月29日現在)が貸し出しを行うまでになりました。
2年目を迎えた今年からは、日常の外出だけでなく、非日常の外出と言える「旅」の場面にも活動を拡大。商店街や観光地、自治体などにも協力を得ることを決め、すでに埼玉県川越市の川越一番街商店街とともに準備を進めているそうです。


























