「政治は男性のもの」?!…女性の政治参加をめぐる男女の認識の違いとは<下>

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世論調査部・加藤理佐

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 読売新聞社と早稲田大学先端社会科学研究所による衆院選直後の共同世論調査で、女性の議員が少ない原因として挙げられたのは、男女ともに「社会に『政治は男性のもの』という意識があるから」がトップだったが……。

女性議員少ない原因 2位以下に男女のすれ違い

 調査では、女性議員が少ない原因にあてはまると思うものを8項目の中からいくつでも選んでもらった。

 まず全体をみてみよう。最も多かったのは「社会に『政治は男性のもの』という意識があるから」57%。次いで、「社会に女性への差別やハラスメントがあるから」47%、「手本となる女性議員が少ないから」40%、「女性が家庭で担う役割が大きいから」39%、「議員になりたい女性が少ないから」37%などが続いた。「社会に『政治は男性のもの』という意識がある」は、男女問わずトップで、男性は50%、女性は63%だった。

「女性が家庭で担う役割」男性は軽視?

 男女や世代間の意識の差は、2位以下に顕著だった。

 女性の2位は「女性への差別やハラスメントがある」53%、3位は「女性が家庭で担う役割が大きい」42%。いずれも女性を取り巻く社会全体の風潮や環境、意識に関する選択肢が上位だった。

 対して男性の2位は「議員になりたい女性が少ない」42%。3位は「女性への差別やハラスメントがある」「手本になる女性議員が少ない」各41%だった。

 女性で3位に挙がった「女性が家庭で担う役割が大きい」は、男性では36%で、5番目だった。男性で上位に並んだのは、女性側の姿勢や認識に原因を求める項目が多い。回答の割合で男性が女性を上回ったのも、「手本となる女性議員が少ない」(男性41%、女性38%)と「議員になりたい女性が少ない」(男性42%、女性32%)の二つで、いずれも女性側に原因があると考える選択肢だ。男女間の「すれ違い」が浮き彫りになった。

 男女をさらに三つの世代(18~39歳、40~59歳、60歳以上)に分けてみると、女性は、全ての世代の上位3位に、「『政治は男性のもの』という意識がある」「女性への差別やハラスメントがある」「女性が家庭で担う役割が大きい」が入った。一方、男性は、世代によって回答傾向はまちまち。男女・世代間で共通認識を持つことの難しさがうかがえた。

女性首相「誕生する」は52%に上昇

自民党総裁選の討論会を前に記念撮影する(左から)河野太郎行政・規制改革相、岸田文雄・前政調会長、高市早苗・前総務相、野田聖子幹事長代行=いずれも当時(2021年9月、東京都千代田区で)
自民党総裁選の討論会を前に記念撮影する(左から)河野太郎行政・規制改革相、岸田文雄・前政調会長、高市早苗・前総務相、野田聖子幹事長代行=いずれも当時(2021年9月、東京都千代田区で)

 日本で女性の首相が誕生すると思うかどうかを聞いた質問では、「どちらかといえば」を合わせた「思う」は52%で、19年2月調査の33%から19ポイント上昇し、「思わない」の46%(19年2月調査66%)と逆転した。

 昨年9月の自民党総裁選で、高市早苗・前総務相と野田聖子幹事長代行(いずれも肩書は当時)が立候補した影響もあるだろう。二人とも総裁の座には届かなかったが、存在感を示したことで、将来的に女性首相誕生の可能性を感じた有権者が増えたのではないか。

女性首相誕生には女性の方が悲観的

 興味深いのは、男女別にみると、女性の方が悲観的な見方をしていたことだ。

 「思う」と答えたのは、男性59%に対し、女性は47%にとどまった。

 男女をさらに年代別でみると、最も「思う」割合が高いのは、男性18~29歳で64%。最も低いのは女性70歳以上の38%だった。

政治を仕切る男性に求められる意識改革

 海外に目を転じると、程度の差こそあれ、女性議員を増やすため、候補者や議席の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」を導入している国が118か国と多数派だ(20年2月時点、内閣府)。

 一方、日本では、先に挙げたように「政治分野における男女共同参画推進法」が施行されたものの、罰則はなく、実効性に乏しい。立憲民主党の泉健太代表が夏の参院選に向け、「女性候補5割を目指す」と掲げたが、与党などの動きは鈍い。

 歴史やお国事情に多少の差はあれ、女性の議員数を確保するためには何らかの法整備を必要としている点で、諸外国も日本も、社会状況に大きな違いはないともいえる。では何が違うのか。現役の議員と有権者の双方がどの程度本気になってこの問題に向き合ったかということに行き着く。

 今回調査では、女性議員の少なさについて、男性は女性側に、女性は男性側に原因を求める傾向にあった。こうした「分断」を克服するには、男女双方が意識を変えていくことが必要だろう。とはいえ、政治を「仕切っている」男性たちが果たすべき責任は、より大きい。

 調査は、衆院選直後の21年11月1日~12月7日、全国の有権者3000人を対象に郵送方式で実施し、2115人が回答した(回答率71%)

プロフィル
加藤 理佐( かとう・りさ
 政治部などを経て世論調査部。政治部記者時代は、首相官邸や自民党、外務省などを担当。取材先のほとんどは、男性だった。

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