玉城氏が制した沖縄知事選…「3連勝」支えたウチナーンチュ意識
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的外れな批判
本筋とは離れるが、こうした玉城氏支持層の基地問題への強い反感や沖縄の独自性を強調する姿勢に対する一部のネットユーザーの反応についても触れておきたい。SNS上では「沖縄は独立したいのか」「沖縄県民は
県民調査では、1972年に日本本土に復帰したことを「よかった」とする人が56%で、「どちらかといえばよかった」の34%を含め、肯定的な評価は9割に達している。玉城氏支持層では、「よかった」が51%、「どちらかといえばよかった」は38%。不支持層では「よかった」66%、「どちらかといえばよかった」25%だった。肯定の度合いに多少の濃淡はあるものの、支持層にかかわらず、圧倒的多数が本土復帰を肯定的に捉えている。

沖縄県に自衛隊が駐留していることに「賛成」は48%で、「反対」は10%にとどまった。(「どちらともいえない」は41%)。本土復帰前の70年8月に読売新聞が行った県民調査(面接方式)では「復帰後沖縄に自衛隊が駐留することに、あなたは賛成ですか、それとも反対ですか」との問いに対し、「賛成」33%、「反対」31%と賛否が
米国に親しみを「感じている」と答えた人は、「どちらかといえば」を含めて、玉城氏の支持層でも59%を占め、全体の半数を超えた。不支持層の72%には及ばないものの、こじれた基地問題以外では親米感情を抱く人が多いと言えそうだ。
一方、琉球王国時代に関係が深かった中国については、親しみを「感じている」とした人は、「どちらかといえば」を含めて、玉城氏支持層では14%、不支持層は7%にとどまる。かつての沖縄は政治的には中国を宗主国とし、中国皇帝から国王の地位を保障される
中国が台湾との衝突を想定して軍備を増強していることや、中国公船が尖閣諸島沖で領海侵入を繰り返していることを日本の安全保障上の脅威だと「感じる」人は、「大いに」「多少は」を合わせて、玉城氏支持層で92%、不支持層で96%に達した。データを見る限り、ネット上の一部の批判や懸念は事実無根で的外れだ。

二つの岩盤

玉城氏の再選により、移設問題を巡る政府と沖縄県の対立の長期化は避けられなくなった。玉城氏の支持基盤には、反基地感情と強い地域ナショナリズムという二つの岩盤がある。その一方で、全国最悪レベルの失業率や最低レベルの県民所得といった沖縄経済の課題に対する危機意識の高さもまた、明らかになっている。
県民調査の自由回答では、県中部在住の60歳代の回答者からこんな声が寄せられた。
「退職後、自宅にいる時間が長くなったため、米軍機が自宅上空を昼夜の別なく頻繁に飛行しているのを改めて感じ、騒音のひどさに憤りを禁じ得ないが、日米安全保障は必要だと思っている。米軍機騒音のない、平穏な生活を望む気持ちと、米軍駐留の必要性を感じる気持ちが葛藤している」
岸田首相は6月23日の沖縄全戦没者追悼式でのあいさつで、「沖縄の皆様には、今なお、米軍基地の集中による大きな負担を担っていただいている。政府として、基地負担の軽減に全力で取り組む」と述べている。政府が沖縄の基地負担軽減に向け、どこまで目に見える実績を重ねていくことができるか。沖縄の複雑な民意を解きほぐす最初のカギはそこにある。


























