「切り取れない」リーダー像 Z世代に見放され始めた岸田政権のジレンマ<下>
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Z世代の若者たちは、岸田政権に背を向ける一方、自民党に対しては依然として高い支持率を保っている。「岸田離れ」は鮮明になったものの、若者層の「自民党離れ」は起きておらず、野党もその支持を取り込めていない。若者たちを引き付けるリーダー像とは――。
高い自民党支持率
毎月の全国世論調査(電話方式)によると、20歳代の自民党に対する今年の年間平均支持率は34%に達した。全体の39%よりは低いものの、第2次安倍内閣が発足した13年以降、20歳代の自民党の支持率は常に3割を超えている。
歴史を遡れば、若者層の自民党支持率は全体平均より低い状態の方が普通だった。経済成長が続いた55年体制下の自民党支持率は総じて高く、20歳代の支持率もたびたび30%を超えたが、他の世代の支持よりは常に低かった。これ以降、20歳代の3割を超える自民党支持は、第1次安倍内閣が発足した2006年の31%までない。
昨年までは、内閣支持率も20歳代が全世代の中で最も高いか、最も高い支持率で他の世代と並ぶ状態が続いていた。全体平均と20歳代の支持率の差が最も大きかった18年には、仮に20歳代の支持がなければ、全体の内閣支持率は3ポイント下がり、45%になっていた計算になる。21年も20歳代の支持が全体の支持率を2ポイント押し上げた。若者層は、自民党政権にとって無視できない存在になりつつある。
若者が政策のターゲットに


「日本若者協議会」の室橋祐貴代表理事は、ここ10年間の若者たちの意識変化の背景に自民党の政策転換があるとみている。
かつての自民党政権は50歳代以上を念頭に、基礎年金の導入(1986年)、介護保険制度の創設(2000年)といった政策を打ち出し、高齢世代から幅広い支持を集め、政権の基盤を築いた。
これが変化するきっかけは、2001年発足の小泉内閣が推し進めた「聖域なき構造改革」だというのが室橋さんの仮説。大胆な規制緩和を進めた結果、非正規雇用の拡大と女性の社会進出が並行して進み、共働き世帯が増えていく。その結果、働き方改革や子育て支援といった20歳代の政策ニーズが高まり、それを政策的にくみ取って、うまくマッチするようになったのが第2次安倍内閣以降の自民党政権、という見立てだ。このほか、公職選挙法の改正で16年6月から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、若者層を重視せざるを得なくなった側面もあるとみられる。
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