「切り取れない」リーダー像 Z世代に見放され始めた岸田政権のジレンマ<上>
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支持率低迷が続く岸田政権で、若者の支持離れが鮮明になってきた。2012年発足の第2次安倍内閣以降、若者層は、かつてない高い政権支持率を維持してきたが、その支持率が今年、過去10年で初めて全体の平均支持率を下回った。突出したイメージがなく、存在感がない――。読売新聞の調査データから浮かび上がるのは、スマートフォンを主要な情報源とする「Z世代」に、政権カラーをアピールできずにいる岸田首相の姿だ。閣僚の相次ぐ辞任や政治家と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐる問題への対応に追われ、独自色を打ち出せないままでは、支持率の反転は望めない。
内閣支持率を引き上げる若者

若者たちの「岸田離れ」は、世論調査の結果に表れている。読売新聞社が毎月行っている全国世論調査(電話方式)によると、岸田内閣に対する今年の20歳代の年間平均支持率は53%で、全体の平均支持率の55%を2ポイント下回った。20歳代の半数以上が支持しているものの、この数字を過去のデータと比較すれば、その低迷ぶりは鮮明になる。
全国世論調査では、選挙権年齢が「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げられた2016年以降は18、19歳と20歳代を一つの世代ととらえて、集計している。本稿ではこれを「20歳代」と表記する。それによると、第2次安倍内閣が誕生した翌年の13年以降、18、19歳を含めた「20歳代」の内閣支持率は一貫して、全体平均を上回ってきた。
13年は20歳代が全体を4ポイント上回る71%、14年は全体より7ポイント高い63%だった。18年は他の世代の支持率が3~5割だったのに、20歳代は全体を16ポイントも上回る64%で突出。岸田首相に政権を引き継いだ菅内閣が発足した20年も、20歳代が全体より10ポイント高い61%となり、4~5割台にとどまる他の世代との差は明確だった。そんな20歳代の内閣支持率がここ10年で初めて、全体平均を下回る事態になった。
今年の月ごとの推移を見ると、3月までは全体平均より3~11ポイント高かったが、4月に入り急落。これ以降は全体とほぼ同じか、下回る状態が続いている。
主な政治家10人に対する好感度を、0~100度の「感情温度」で答えてもらう調査でも、若者の気持ちが急速に岸田首相から離れている様子がうかがえる。最も温かい感情が100度、最も冷たい感情は0度、中立の感情は50度とした場合、今年7~8月の調査では、51度以上と回答した割合が全体平均より4ポイント少ない32%にとどまった。半年前の昨年11~12月の調査で岸田首相への感情温度を51度以上と答えた20歳代は全体を3ポイント上回る40%だったが、51度以上の割合は全体で最も大きく下落した。この調査は全国3000人を対象に毎年、郵送方式で行っている。



























