岸田内閣の支持率が3か月続けて「危険水域」…低迷の理由は?

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派閥への厳しい視線

 派閥に対する国民の視線は、かねて冷ややかだ。約30年前の1992年11月調査(面接方式)で派閥について聞いたところ、「数の力で政治をゆがめているので問題だ」とした人が67%に上っている。

 自民党は「政治とカネ」の問題に直面するたびに派閥解消を打ち出してきた。リクルート事件を受け、1989年に策定した政治改革大綱では、派閥解消を最終目標に設定。派閥パーティーの自粛や党幹部と全閣僚の派閥離脱を掲げたが、その後、形骸化した。細川政権の誕生による野党転落を経験し、再び政権復帰した1994年11月には、党として「年内の派閥解消」を決定したが、まもなく全派閥が「政策集団」として活動を再開し、うやむやになった。民主党政権誕生後の2009年にも党再生会議が派閥解消を提言したが、党内の反発を招き、実現しなかった。

 今年1月調査では、派閥を「解散するべきだ」が61%で、「改革した上で存続させるべきだ」の31%、「現状のままでよい」の4%を上回った。中北教授が「人間本位で固まり、義理人情を交えて合意形成を図ってきたのが自民党の本質で、強さだった」と語るように、派閥にはプラスの面もあるが、国民には理解されていない。

 さらに今回の調査では、政治資金を巡る一連の事件に関する当事者議員らの説明不足に対する不満が非常に大きかった。派閥幹部らが国民に十分説明していると思うかと聞くと、「思う」が3%で、「思わない」は92%に上った。これを自民党支持層に限ってみても、「思わない」という回答は89%に達する。岸田首相が党内に設置した「政治刷新本部」に「期待できる」とした人は全体で17%。「期待できない」が75%に上ったことも合わせると、国民の政治不信の強さがうかがえる。

今後、残された道は?

 1月26日の通常国会開会を前に、東京地検特捜部の捜査は事実上終結した。そして、岸田派の解散表明を受けた形で、安倍派と二階派、森山派も解散を決めた。ただ、自民党の「政治刷新本部」の中間とりまとめでは、派閥から「カネと人事」の機能を排除したものの、政策集団としての存続は容認した。茂木派は運営方法を見直した上で政治団体を存続させる見通しで、麻生派を率いる麻生副総裁も、政治団体としての存続を明言。今後、派閥の是非を巡って、党内で不協和音が高まる危険性をはらんでいる。

 小林教授は「もともと期待が低かった政治刷新本部で『派閥を政策集団に』という結論は非常に悪い流れだ。今後、支持率が大幅に上向くことは難しい」と予測。「政治家自身が実質的な痛みを伴う改革を有権者に示すことが不可欠だ」と訴える。

 岸田首相は1月29日、「政治とカネ」をテーマとした衆院予算委員会の集中審議で、「政治資金規正法改正など必要な法整備を進める。私自身が先頭に立って政治改革の取り組みを必ず実行する」と述べ、連座制の導入を検討する考えを示したほか、事件に関与した議員らに事情聴取をするように自民党幹部に指示したことを明らかにした。しかし早速、党内には異論が出ており、今後の展開次第では国民のさらなる「自民党離れ」、「岸田離れ」を招きかねない。

 事件に関与した党所属議員に説明責任を果たさせる。政治資金規正法を改正し、政治資金の透明化を図る。有権者が望んでいるのは単純だが、ごまかしようのない取り組みだ。党内の摩擦を恐れずに人々の期待に応えられるかどうか。岸田首相の「本気度」が問われている。

プロフィル
原 新( はら・あらた
 2018年入社。前橋支局を経て世論調査部。支局では県警、県政を担当。現在は世論調査のほか、投書欄「気流」を担当し、投書を手がかりに取材を進めることも。本紙の人気コーナー「New門」では「 キャッシュレス寄付 」を深掘りした。

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