「津田寛治に撮休はない」、自分自身を演じる異色映画に「演じないよう心がけた」…バイプレーヤー俳優「かなりリアルです」
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映画界屈指のバイプレーヤーである津田寛治が主役を務める「津田寛治に撮休はない」が公開中だ。タイトルから分かるとおり、自分自身を演じるという異色作。どんな心持ちで臨んだのか。津田は「演じないように心がけた」と語る。(浅川貴道)

ユニークな企画は萱野孝幸監督から持ちかけられた。「僕の普段の感じを取材してもらったほうがいいと思っていたら、台本がもう届いてしまった。読んでみたら、なんでこんなことまで知ってるんだというプライベートなことまで書かれていた」。更に、「僕が心の中で思っていたようなことまで書かれていて……僕本人も『なるほど』と思ってしまった」と笑う。
物語は、引く手あまたのバイプレーヤーとして多忙な日々を送る津田の姿を描くことから始まる。ドラマの撮影を終えて、すぐにインタビューに向かうまでの長回しがユニークだ。「バイプレーヤーというポジションの俳優のことが、しっかり描かれているんです。分刻みで色んな役をやったりして、かなりリアルです」
目が回るような日々を送る中で、津田の周辺で奇妙な出来事が次々と起きる。伝説的な巨匠と言われる監督の新作の主役に声がかかるが、全く話が先に進まなかったり、怪しげな演技講座に参加することになったり、徐々に現実とフィクションがない交ぜとなり、津田自身の精神を侵食していく。コメディータッチの物語が、次第にサスペンスフルな色合いを帯びていくのが見所だ。

自分が自分を演じるという興味深い機会。「演じない芝居をやりたいと常に思っていて、今回はそこを突き詰めた」と語る。どういうことか。「演じているんだけれど、本人に演じている意識がない状態」と表現する。「普通演じるときは、『この言い方を強くしよう』とか『前のセリフを食い気味で言おう』とか考えたりするけれど、そういった計算をしないで、その場で出た言葉やテンポのままに話すということ。それをやるには、津田寛治本人役というのはうってつけだと思ったんです」
「自分自身」でいるために、萱野監督ともかなり話し合った。「自分の感覚だと引っかかると思うセリフは言い方を変えたりした」。結果的に、俳優としての自身の立ち位置をもう一度確かめる作品ともなったという。
昨年還暦を迎えた。今、「世界の映画の現場を見てみたい」という思いに駆られているという。「ハリウッドでなくて、欧州の映画作り。独立系の作り方が面白い」。活躍の場を更に広げようと模索している。


























