30周年を記念「超力戦隊オーレンジャー」
完了しました
「30年の時を超えて、今、俺たちが帰ってきた!」という超力戦隊オーレンジャーのレッド、宍戸マサルさんの声を合図に、主題歌のイントロが流れ出す。幕がゆっくりと上がり、舞台上のスモークが朝霧のように薄れていくと、逆光の中、オーレンジャーの5人の姿が浮かび上がった。宍戸さんをセンターに、ブルーの合田雅吏さん、グリーンの正岡邦夫さん、イエローの麻生あゆみさん、ピンクのさとう珠緒さんが並び、名乗りをあげる。5人が隊員服に身を包んでいるのが正面からの強い照明でくっきりと照らし出されると、歓声とどよめきと拍手が一斉にわき起こり、場内の興奮は、いきなり最高潮に達した。

8月3日、「超力戦隊オーレンジャー放送開始30周年記念! オレたち、永遠のオーレンジャー!」と題したイベントが都内で開催され、私も司会でお手伝いした。1995年に放送された「超力戦隊オーレンジャー」の30周年を記念したイベントだ。冒頭の場面を私は舞台袖で見ていたが、演出を知っているにもかかわらず、5人と、それに呼応するお客様の熱い思いに感情が沸騰し、思わず泣きそうになってしまった。
今春、宍戸さん、合田さん、さとうさんと打ち合わせをした時から、5人の願いは「隊員服を着てお客様の前に立ちたい」というものだった。幸い、隊員服は保管されていたのだが、なにしろ30年の時が流れている。体形は変わるし、さとうさんの言葉を借りれば「(サザエさんの)ワカメちゃんみたい」な超ミニ丈のスカートをどうするのか、という問題もあった。
だが、オーレンジャーの物語と同じように、奇跡は、諦めずに願う人たちのところには起きるものだ。吹き替えでスーツアクターが着用したサブの衣装も発見され、その布地を使って衣装の調整が出来ることになった。女子チームのスカートの丈については、さとうさんのスタイリストさんらも大活躍してくれて、「(隊員服の模様部分が経年劣化で)ハゲチャビン~」(さとうさん)とか「時代のせいか肩パッドが信じられないくらい大きい」(宍戸さん)などの問題はあったものの、今の5人が着用できる隊員服が完成した。この準備を間近で見ていたこともあり、隊員服の5人がそろった場面には感慨もひとしおだった。


「30年分の感謝を伝えたい」という5人はトークでも大サービスだった。第1話で氷の張った川に宍戸さん以外の4人が落とされる話で、合田さんやさとうさんが、いかに寒くてつらかったかを語り「あなたはは一人だけ基地にいたでしょう!」(合田さん)と責めたてれば、宍戸さんが「でも、俺も撮影でこの人(さとうさん)が失敗するたびに、代わりに監督に怒られて大変だったんだよ!」とまぜ返す。宍戸さんが撮影でナパームを踏み抜いて眉毛やまつげまでチリチリになり「炎の内側を見た」体験を話し、「俺にとってナパームは親友だね」と語れば、合田さんは「爆発には炎が立ち上るナパームと、セメントを使って白い煙を出すものの2種類がある。セメントは目に入って水分を吸うと固まる恐れがあるから間近で爆発すると大変だった。僕の友達はセメントかな」と笑う。

現在は俳優を引退し会社経営者となっている正岡さんは、富士山近くでの撮影に寝坊で大遅刻し、タクシーで都内から駆けつけた秘話を披露し「僕の友達は遅刻でした……」と苦笑。この遅刻は撮影に遅延をもたらし、現場ではおおごとだったわけだが、宍戸さんが「スタッフ皆が怒っても、俺たち4人は絶対に怒らず昌平(正岡さんの役名)を温かく迎えてやろう」と言って待機していたという、5人のチームワークの良さをうかがわせるいい話も飛び出した。
旭化成の水着キャンペーンガールをしていた麻生さんは、「最後の水着」という回で、ハイレグの水着姿でアクションをした経験を振り返り「水着で森の中を転げ回るので生傷だらけ。キャンペーンガールの仕事もあるし、大変でした」と語る。麻生さんも芸能界を引退しており、今回は久々のステージだった。

合田さんは「友よ熱く眠れ!!」という回での怪人、バラリベンジャーとブルーとの異色の友情
さとうさんは作中に登場した犬がナパームの爆発する中を走り抜ける場面を撮影したことを思い起こし、「今ではあんな撮影は無理でしょうね」と話した。なお、東條昭平監督が思い通りに動かない犬にキレて「あなた、台本読んでいないんですか!」と犬にむかって叫んだという逸話も披露された。
後半では、竹本昇監督(当時は助監督)、6人目の戦士であるキングレンジャー・リキを演じた山口将司さんも駆けつけ「リキは初登場場面で32回NGを出した」という秘話などを語った。一方、三浦参謀長役の宮内洋さんからは映像で、自身が出演した秘密戦隊ゴレンジャーが今年50周年を迎えたことが語られ、「諸君も50周年目指して頑張ってほしい」とのエールが送られたほか、敵幹部役を演じた関智一さんからもメッセージが届けられた。

終盤には主題歌を歌う速水けんたろうさんが駆けつけ主題歌とエンディングを歌ったのに加え、人気の挿入歌「虹色クリスタルスカイ」を出演者と合唱しファンを歓喜させた。
昼夜2回にわたって行われたイベントは、終始温かく、懐かしい空気に包まれていた。「30年間、オーレンジャーを愛してくれたお客様にありがとうを伝えたい」という5人の熱意があったからこそ実現した、幸せなイベントだったと思う。最後のあいさつで目を潤ませる5人からは「もしかして40年、50年も出来るかも、という気持ちになった」(合田さん)との「宣言」も飛び出した。かつてのヒーローたちが、元気で頑張っている姿を見せてくれるのは、ファンにとって何よりも励みになるものだ。ぜひ、40年、50年と「今を生きるオーレンジャー」の姿を見せていってほしい。また5人と会う日を楽しみにしている。





























