[LEADERS]印刷技術で世の中を豊かに…大日本印刷社長 北島義斉氏 61
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大日本印刷(DNP)は2026年に創業150年を迎える。印刷技術をもとに事業の多角化を進めた「第二の創業」を経て、現在は「第三の創業」に取り組んでいる。北島義斉社長に聞いた。
書店支援 日本の出版文化を守る

我々の祖業は出版印刷で、印刷会社として始まりました。戦後、会社が潰れそうになった1951年に「再建5か年計画」を立て、そこから今のように印刷技術をもとに多様な製品を作るようになったわけです。
海外では、大日本印刷より「DNP」の方が有名になっていますが、我々としては、印刷技術で世の中を豊かにしていくということを忘れないために社名に「印刷」を残したいと思っています。
<日本では紙の出版物の販売額が96年をピークに減少傾向にある>
返本率が高い、書店さんの利益率が低いといった問題は一気に解決しませんが、我々としては、日本の出版文化をなんとしても守りたい。
どうしていけば読者の手元に本を届けていけるのかを考える中で、この春に営業と製造の両部門が一体となって効率的に業務にあたる「DNP出版プロダクツ」という子会社を作りました。例えば、絶版となった本をオンデマンド(注文対応)型で少部数から復刊する仕組みを構築するなど、新しい出版流通を創出する取り組みを通じて書店さんを支援していきたいと考えています。出版文化を大切にして、これからもやっていきたいと思っています。
事業の多角化 継続的発展に必要
<祖父の北島織衛氏、父の北島義俊氏は、ともに大日本印刷の社長、会長を務めた。子どもの頃から本に囲まれて育った>
自宅には図書館にあるような移動式の書架が10台くらいあり、尋常じゃない数の本がありました。私も本を読むのが大好きで、小中高の時は毎日、本を読んでいました。
印刷工場の近くに住んでいたこともあり、(本を印刷する)輪転機を見に行ったこともあります。そうした環境で育ってきましたから、大日本印刷のことは常に意識をしていたと思います。
<最初の就職先は富士銀行(現みずほ銀行)。支店や調査部などでの勤務の後、大日本印刷に入った>
調査部では女性活躍や企業メセナ活動に関するリポートを作成したり、日本経済の先行きを予測したりしていました。その経験は今でも役立っています。今にして思えば、世の中を
こっち(大日本印刷)に来たのは95年です。我々の出版関連の売り上げはまだ伸びている時代だったんです。ただ、どこかの時点で減ることはわかっていましたので、社内では、その時に何をするか。どのような事業領域を伸ばしていくべきなのか。そういう議論をしていましたね。
<印刷で培った技術を起点に事業の多角化を進め、現在扱っている製品は、食品・飲料などの包装材や建材、ICカード、電子部材、情報セキュリティーなど実に多彩だ>


























