自動運航で瀬戸内海の船旅に出発!…技術と経験必要な着岸も自動、船長らは操縦機器に触れずモニター注視
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日本財団や造船、海運事業者など53法人でつくる共同事業体が、岡山―香川・小豆島間で自動運航機能を搭載した旅客船の運航を始めた。同財団によると、自動運航船の商用運航は世界初といい、業界の課題となっている船員不足の解消や事故防止が期待される。(西田周平)

両備グループ(岡山市)の旅客船「おりんぴあどりーむせと」(全長65・56メートル、総トン数942トン、定員500人)。船舶自動識別装置(AIS)やレーダーなどの情報を組み合わせて他の船の位置を把握するシステムで運航し、離着岸も自動で行う。新岡山港(岡山市)と土庄港(香川県土庄町)間を毎日4往復する。

船員は配置しており、運航状況を確認し、緊急時に対応する。
共同事業体は2020年から自動運航船のプロジェクトを進め、実証を重ねてきた。今月5日、国土交通省の検査に合格した。
同財団の海野光行常務理事は「今後の商用運航から得られたデータをもとに、国際的なルールづくりにも貢献していきたい」としている。共同事業体では、今年度中に他の航路でも3隻の運航を始める予定だ。
記者も乗船「違和感なく」
世界初の自動運航機能を搭載しての商用運航を始めた旅客船「おりんぴあどりーむせと」に、本紙記者も乗船し、自動クルーズを体験した。
10日に行われたデモンストレーションでは、操縦機器に触れず、モニターに表示される航行ルートや周囲の船の位置状況などを注視しているだけの船長らの姿があった。
船は自動運航システムが滑らかに走らせていく。途中、あえて障害物として海上に配置された船も、位置をレーダーなどで的確に把握し、安全なルートを算出。障害物を避けていた。熟練の

陸からも支援
自動運航は、陸上からも支援している。気象状況を分析したり、船内の設備に異常がないかを監視したりする移動型の「陸上支援センター」があり、この日は新岡山港に配置された。
銀色の車体がまばゆいクラシカルなデザインのトレーラーの見た目とは裏腹に、車内には、コックピットのように、情報を表示するいくつもの画面がある。

日本財団海洋事業部の野本圭介准チームリーダーは「人間はどうしても集中にムラが出てしまうが、自動運航であれば一定のパフォーマンスを持続できる。海難事故の8割を人為的事故が占めるとのデータもある。事故の防止や人手不足解消、船員の負担軽減につなげたい」と話している。


























