化粧品容器も「中身」も再活用、企業の枠を超え協力進む
完了しました
化粧品業界で資源循環の取り組みが広がりつつある。従来、使い終えた化粧品容器の多くは廃棄され、洗剤やシャンプーなどに比べ詰め替えによるプラスチック使用量の削減も進んでこなかった。脱炭素やプラ削減が社会課題となる中、容器のリサイクルや新素材の活用などで企業の枠を超えた協力が進む。
リサイクルへライバル企業が協力
花王とコーセーは昨年10月、イオンリテールと共同で使用済み化粧品のプラスチック容器から新しい容器を作る「水平リサイクル」の取り組みを始めた。東京、千葉、埼玉の約70店舗の化粧品売り場に回収ボックスを設置。花王の「ソフィーナ」「カネボウ」ブランドとコーセーのスキンケア商品を対象に容器の持ち込みを促している。
花王化粧品開発推進センター長の大塚由喜男さんは「化粧品は容器も含めてお客様にわくわく感を与える
もともと化粧品容器は着色や装飾が施されることが多い上、内容物の油分が付着して洗浄もしにくいことから、リサイクルの難易度が高いとされる。そこで着目したのが、廃棄物を化学的に分解し、元の化学成分に戻して再利用する「ケミカルリサイクル」だ。
使用済み容器を分子レベルまで分解することで色素や金属などの不純物を取り除き、新品のプラ原料と同等の品質を持つ化学素材に再生する。これらを軸に複数の手法を組み合わせ、資源循環モデルの構築を図る。
飲料用のペットボトルなどと違い、化粧品容器は使い終わるまでの期間が人や商品によって様々で、まとめて回収しにくいのも課題だ。回収量を増やすには業界横断の取り組みが欠かせず、参画企業や回収拠点、対象商品の拡大を目指す。
品質管理ネックに
シャンプーやボディーソープといった日用品の容器包装でプラ使用量の削減に大きく貢献しているのは、「詰め替え・付け替え」製品だ。
日本化粧品工業会によると、2023年度のボディーソープの本体容器や詰め替え・付け替え容器のプラ使用量は4600トン。全て本体容器で販売された場合と比べ7割のプラ削減効果があると試算する。シャンプーやリンスでも同様に6割超の削減効果がある。
一方、化粧水・乳液・美容液といったスキンケア製品は、詰め替えなどによる削減効果がほぼゼロだ。一体なぜなのか。同会の担当者は「洗い流すことが前提のシャンプーなどと違い、肌に長時間残るスキンケア製品はより厳格な品質管理が求められる。簡易な詰め替え用包装では成分を劣化させずに保つことが難しい場合があり、それほど浸透していない」と説明する。
最近はスキンケア製品でも、パウチ包装の詰め替え用や、ノズル部分を残して中身の入ったボトルを付け替えるタイプの商品が増えているが、一層のプラ削減に向けてリサイクル素材への期待は大きい。



























