「疲労回復」リカバリーウェア、大手企業の参入相次ぐ…部屋着から母の日や父の日の贈答用まで
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大手小売企業などが、特殊な繊維で血行を促し、疲労回復効果をうたう衣料「リカバリーウェア」を強化している。人口減少などで衣料品市場が縮小する中、付加価値の高い商品として需要が見込まれるからだ。日常だけでなく、母の日(5月10日)や父の日(6月21日)のプレゼントとしての購入も期待している。(石川泰平)


1週間で120万着
総合スーパー「イオン」などを展開するイオンリテールは2月、肌着だけだったリカバリーウェア「EXセリアント」シリーズで部屋着の展開を始めた。数種類の鉱石を練り込んだ特殊な繊維素材を使い、遠赤外線で血行を促進するのが特徴で、長袖Tシャツや長ズボンを税込み5478円、半袖Tシャツを4378円で売り出した。
シリーズの2026年の売上高を前年の10倍に増やす目標で、小田嶋淳子・衣料本部長は「仕事や子育てに忙しいファミリー層の需要を取りに行く」と意気込む。
作業服大手ワークマンも、職人向けだった「メディヒール」の一般向け販売を本格開始。2月に上下が2000円台でそろう低価格の新作を発売し、直後の1週間でシリーズ計120万着を売り上げた。年間2100万着を販売する計画で、同社は「リカバリーウェアの大衆化を目指す」と業界トップの座を狙う。
家具量販店のニトリは1月に販売を始め、抗菌・防臭効果もうたう1490円のTシャツなど低価格で攻勢をかける。紳士服大手のはるやま商事や、スポーツジムを展開するRIZAP(ライザップ)グループも昨年11月に参入し、各社は普段使いのほか、贈答需要も見込んでいる。
市場規模拡大
各社がリカバリーウェアを強化するのは、市場の拡大が見込まれるからだ。日本能率協会総合研究所の試算では、30年の市場規模は、24年の約9倍の1700億円に拡大する。健康意識の高まりに加え、コロナ禍で部屋着の着心地や機能性を重視する傾向が強まったことが背景にあり、数万円台の商品も売れている。
リカバリーウェアは、10年頃にスポーツ選手向けに販売が始まり、20年代に入ってテレビCMなどで人気が広まった。ただ類似品を発売する企業が増え、厚生労働省は22年、「一般医療機器」の新分野として「家庭用遠赤外線血行促進用衣」を新設。日本医療機器工業会の自主基準をクリアし、厚労省所管の独立行政法人「医薬品医療機器総合機構(PMDA)」に届け出れば、効果を表記できるようになった。大手も参入しやすくなり、消費者の商品に対する安心感が高まったことも市場を支えている。
ニッセイ基礎研究所の久我尚子上席研究員は「機能や体験価値を伴うリカバリーウェアは一定の価格帯を維持しやすく、利益率を確保しやすい。今後も価格や機能の多様化が進む可能性がある」と指摘する。


























