[竹森俊平の世界潮流]先端半導体 台湾を「防衛」…経済力 日本の安保でも重要に
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トランプ米大統領は年明け早々、ベネズエラの反米左派、マドゥロ政権を転覆させた。米露中に代表される「力による支配」が幅をきかす中、日本に必要なものは何か。国際経済学者の竹森俊平氏が解説する。
裏庭支配

トランプ氏のベネズエラ支配への執着は根強い。
第1次トランプ政権の国家安全保障会議でロシア問題を担当していたフィオナ・ヒル氏は、ロシアが援助するマドゥロ氏の代わりに親米派のグアイド氏をベネズエラ大統領にする画策をトランプ氏がしていた2019年春に、ロシアから受けた提案を同年の議会でこう証言した。「ロシアはベネズエラとウクライナの奇妙な交換を要望した。君たちがモンロー主義に従い、われわれを米国の裏庭から追放したいことは承知だ。こちらの事情も同じ。君たちはロシアの裏庭のウクライナに踏み込んでいるのだ、と」
昨年12月のトランプ政権の「国家安全保障戦略」はモンロー主義を提唱する。「長年の忘却の後、米国はふたたびモンロー宣言を主張し、実行することにより西半球における米国の主導権を確立し、米国の安全と地域内すべての重要地点へのアクセスを確保する。われわれは西半球外からの
それで世界最大の石油埋蔵量を持つベネズエラへのロシア、中国の闖入排除に動いたという理屈だ。だが国際法を無視し、大国がそれぞれの裏庭を支配して構わないのなら、ヒル氏へのロシア提案のように、ロシア、中国はベネズエラからの追放の代償に、それぞれの裏庭(ウクライナ、台湾)を確保できるはずだが、米国はそれを認めるのか。
ウクライナ和平交渉での米国の態度からしてロシアに裏庭支配権を認める気配は見える。他方、国家安全保障戦略は「欧州の文明的な
本音露わ
ベネズエラ産石油の8割を購入する中国の特別代表は、拘束の直前までマドゥロ大統領と協議し「中国とベネズエラは戦略パートナー」と語っていたようだが、その鼻先での米軍の電撃作戦には、中国に軍事力の差を見せつける狙いもうかがえる。それにしても法秩序を尊重する西側を主導する米国が、国際法の代わりに米国の国内法を盾にし、ベネズエラの石油資源獲得という植民地主義の本音を
国家安全保障戦略がアジア防衛で米国が目指すべき根拠を経済成長能力とする以上、米軍の協力なくては自国の防衛が成り立たないアジアの国と地域、とくに日本には、世界経済の要と評価される経済力が必要となる。


























