トヨタ退社し大東文化大へ、回り道してかなえた箱根路の夢…大ブレーキにも「今以上の努力」誓う
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青学大が大会新記録で3年連続9度目の優勝を飾った第102回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)。王者が圧巻の強さを示したレースの裏側で、能登半島地震からの復興途上にある故郷に元気を届ける決意を胸に好走したルーキーがいた。また、大企業を退社して箱根路出走の夢を実現したランナーもいた。箱根駅伝のもう一つの物語「アナザー・ストーリー」を紹介する。

大東文化大3区・菅崎大翔(1年)
愛知県豊田市出身。中学まではサッカー少年だったが、トヨタ自動車の企業内訓練校である科技豊田高で陸上を始めた。子供のころからテレビで見ていた、箱根駅伝に憧れていた影響もあり、「新しいことに挑戦しよう」と決断した。
高校3年で記録が伸び始めたが、自然の流れでトヨタ自動車に就職した。会社では車体部に所属し、自動車の製造に携わった。それでも、陸上への思いは薄れなかった。仕事の合間に走るうち、再び本格的に競技へ打ち込む夢が膨らんだ。そして「箱根駅伝を走りたい」という思いが、ついに抑えきれなくなった。
就職1年目の9月に退社。職場の人々は快く送り出してくれた。高校時代の指導者らの尽力もあって、大東大進学への道が開けた。
箱根を目指し、陸上に全力を尽くせる環境で、めきめきと力をつけていった。昨年11月の全日本では1区に起用され、大学駅伝デビュー。同月の上尾シティハーフマラソンでは1時間2分17秒という好タイムを出した。そして箱根駅伝では、往路の重要区間の一つ、3区を託された。
18位でスタートし、勢いよく走り始めたが、終盤苦しくなった。「脱水症か低血糖なのか、ラスト500メートルで腰から下の力が抜けるような感じ」に襲われた。もがくように走り続けたが、中継所直前で転倒。「自分がたすきを止めてはいけない」という一心で立ち上がり、何とか18位のまま4区へつなぐことができた。
しかし、区間順位は最下位の20位。「沿道の応援を肌で感じ、箱根を走る夢はかなったが、納得できる走りではなく、チームに迷惑をかけた」。それでも、夢を追いかけるエネルギーは失っていない。「今以上に努力し、大好きな大東大をシード権が取れるチームにしたい」。新たな目標を胸に刻んだ。(塩見要次郎)
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