[試乗記]瞳ぱっちり 走り進化…三菱デリカミニ 全面改良
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三菱自動車は、軽自動車「デリカミニ」を全面改良し、2025年10月に発売した。路面状況に合わせたドライブモードやアウトドア用の装備を充実させ、最大の特徴である外観の「かわいさ」と走りの「タフさ」が一段と際立つ仕上げとなった。(浮田梨奈)

初代ヒット
初代モデルは23年5月、三菱自の看板車種となるミニバン「デリカ」の弟分として発売された。約1年で販売台数が4万4000台に達するヒット車種となったが、2年半という異例の短期間で全面改良に踏み切るのは、さらなる販売のてこ入れが狙いだ。

外装は一段と「らしさ」を増した。スポーツ用多目的車(SUV)を意識した角張ったボディーは、タフさの象徴としてあえて残した。一方で、
「走り」の面でも、一段の進化を遂げている。三菱自の軽では初めて「ドライブモード」を採用し、雪道や未舗装路など路面状況に合わせて、5種類から最適なモードを選べる。六つのグレードの中で最上位の「デリマルパッケージ」には、米グーグルのシステムを標準装備し、随時更新される最新の地図情報やアプリ、音声システムなどの機能がそろう。
抜群の安定感
1月中旬、都内で試乗したところ、4WD(四輪駆動)のタフな走りを実感できた。アクセルを踏むと、走り出しの安定感は抜群で、道路の段差や凸凹もあまり気にならない。
坂道を時速60キロ・メートルで走りながら「パワーモード」に切り替えると、さらに力強く駆け上った。住宅街の狭い道でも小回りが利き、ハンドルの操作性も及第点をはるかに上回るだろう。
運転歴の短い記者だが、視認面の不安も感じなかった。フロントのピラー(柱)の角度を10度立てた分、視界が広がり左右の確認がしやすい。車の前後左右に四つのカメラが配置され、運転席からの死角も確認できる。
「OK グーグル!」。ナビゲーションシステムに呼びかけると、目的地入力や選曲、エアコンの温度調節まで自動でやってくれる。手入力する必要がなく、いっそう運転に集中できそうだ。
天井が高い「スーパーハイトワゴン」だけに、車内空間にも余裕が感じられる。トランク容量は後部座席を折りたたむと、630リットルまで広がる。運転席も倒せば大人でも足を伸ばして横になれる。シートには、はっ水加工が施され、海や川でのレジャーにも最適だ。
販売台数も好調
より洗練された新型デリカミニは、昨年12月末までの販売台数が1万802台と、計画を18%上回る好調な走り出しだ。ただ、スーパーハイト系のカテゴリーは、ファミリー層を中心に幅広い世代の人気を集め、激戦区となっている。
25年には、ダイハツが10年半ぶりに新型「ムーヴ」を全面改良し、日産自動車も同じ年に新型「ルークス」を投入した。デリカミニはホンダのアウトドア向け軽「N―BOX JOY(エヌボックス ジョイ)」より約7万円高い。機能の進化に比例しているものの、軽としては高い価格が購入のハードルになるだろう。
高い走破性という個性を生かし、これまで他社がリードしてきた軽市場で、どこまで存在感を示せるか注目される。

客の行動範囲 広がる一台に

三菱自動車の藤井康輔・商品企画責任者=写真=にデリカミニの特徴などを聞いた。
――注力したポイントは。
雪道やキャンプ場といった悪路でも、安心して走れるドライブモードを搭載し、非常にタフで安心感のあるスタイリングを実現した。顧客の行動範囲が広がる一台になった。
――グーグルのシステムを搭載した。
軽自動車は世の中のニーズにあった快適性が大事だ。自動車もソフトウェア化が進んでいる。グーグル機能の採用で、リアルタイムに地図が更新されたり、アプリを楽しめたりするなど利便性が高まった。
――顧客層は。
30~40歳代のファミリー層が一番の狙い。様々な場所に出かけてみたくなる人に最適な車といえる。新しいことにチャレンジしたい人の相棒になってもらいたい。




























