黄金の国「ジパング」健在なり…国内唯一の「菱刈鉱山」の総採掘量は佐渡金山の3倍超!
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日経平均株価がバブル期の高値に迫りつつある中、金も国内価格(店頭小売価格)は1グラム1万円を超え、為替の影響を除けば、史上最高値を更新中だ。日本の金山というと佐渡金山が有名だが、現在も商業的規模で唯一操業している金山がある。鹿児島県にある住友金属鉱山の

地下坑道内の気温30度、温泉水がつくる〝湯の華〟タワーも

菱刈鉱山は、宮崎県境にある霧島連山の北西部、伊佐市にある。周囲に田んぼや林が散在する山の中に鉱山の入り口はあった。幅5メートル、高さが4・5メートルで、大型重機がそのまま入れる。取材時もクルマに乗り込んだまま、トンネル内を延々と下っていく。明かりはあるものの薄暗い。クルマの取っ手につかまっていないと前の座席にぶつかりそうになるほどの急傾斜の部分もある。クルマのすれ違いができる箇所は限られるため、基本的に一方通行の道になっている。
地上の入り口から深さにして約350メートル(海抜マイナス80メートル)、時間にして約10分ほど下ってからクルマを降りる。内部の気温は30度もあり、湿度も高い。その理由は温泉水だ。菱刈鉱山の金鉱床は「
温泉水の水温は湧出時で約65度。道路わきの温泉水が漏れ出ている所では、鍾乳石に似たものがあった。鍾乳石は石灰成分が固まったものだが、こちらは温泉水の「湯の華(花)」が固まったものだ。近くには地中から温泉水を抜く「
日本でも操業が可能な理由は『世界トップクラスの金含有量』

温泉水が抜かれた地区の岩壁を見学する。黒や白の帯状の模様が見える。この帯状の部分に金が含まれている。この日は見学できなかったが、この岩壁にダイナマイトを埋め込み、爆破してから鉱石としてから取り出すのだ。金鉱山の採算ラインとしては、鉱石1トンあたりに金が約3グラム以上含まれることが条件という。坑道内部を案内してくれた菱刈鉱山長の草場康弘さんは「菱刈鉱山の金含有量は1トンあたり約20グラムで世界トップクラス。現在も日本で操業できている最大の理由です」と話す。
確認埋蔵量は約155トンで、40年近くは採掘が可能
菱刈鉱山で金鉱床が見つかったのは1981年で、これまで年平均6トンの金を産出してきた。佐渡金山は江戸時代以降の約400年で約83トンの金を産出している。ところが、菱刈鉱山はその約10分の1の期間で累計264トン(2023年3月末)の金を掘り出していて、日本一の金山と言っていい。最新の確認埋蔵量は約155トン(2022年末現在)。「金価格が高値をつけて採算ラインが低くなったこともあり、現在は年間4トンを掘り出しています」(草場さん)とのことで、単純計算すると、あと約40年は採掘できることになる。
年間採掘量を減らして採掘期間を延ばすことには、実は大きな意味がある。安価な海外鉱石が増えたことで、国内の鉱山のほとんどは採算ライン割れなどを理由に閉山している。国内で鉱山技術を学ぶ場所として、菱刈鉱山は数少ない実地体験できるところなのだ。このため、国内外の大学や大学院で学んでいる学生らが毎年、見学・研修に来ているそうだ。今後さらに先進国にある鉱山という点を生かし、現場で働く従業員の減少や高齢化対策の対策として、坑道内に

イタリアのマルコ・ポーロがモンゴル帝国などで見聞きした内容をまとめた旅行記「東方見聞録」は、日本のことを「黄金の国ジパング」と呼んだ。「黄金の国ジパング」はまだまだ健在といえそうだ。(デジタル編集部 松崎恵三)
【菱刈鉱山 データ】
◆アクセス
◇鹿児島空港から湯之尾温泉までは空港連絡バス(水俣・大口・栗野線)があり、菱刈鉱山から湧出した温泉水を楽しむことは可能。同温泉から菱刈鉱山までは公共交通機関はなく、菱刈鉱山も一般公開していない。






























