温泉研究家が選ぶ 忘れられない天空の紅葉宿
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温泉が大好きな私は一年中、温泉旅行をしている。秋は標高の高い温泉宿に、紅葉と温泉の満喫を目的に行くことが多い。周囲に紅葉する広葉樹が多い温泉を選ぶのが、宿選びのポイント。混雑する紅葉期の半年ほど前に予約するのがコツだが、直前にキャンセルが出る場合もあるので、諦めずに予約サイトを何度も見るようにしている。

「天空の宿」と聞いて真っ先に思い出すのは、長野県安曇野市の
中房温泉には、足湯や蒸し風呂、地熱浴場まで含めると浴場が17もあり、1回ずつ入るだけでも1泊2日では時間が足りない。できれば2泊3日以上で訪れたい。全ての浴場が空冷式の源泉かけ流しで、利用している源泉も様々なので、お湯の感触も微妙に異なって感じられる。露天風呂が多いが、内湯の風情も素晴らしく、睡眠時間を削ってでも入浴したくなる。10月下旬には宿の周囲まで紅葉前線が下りてきて、温泉につかりながら紅葉の絶景を楽しめる。
中でも日帰り入浴可能な温泉施設「湯原の湯」の露天風呂から望む紅葉は大変に美しく、印象に残る。宿の手前にある樽沢の滝の紅葉も必見だ。

群馬県嬬恋村の標高1130メートルの森の中にある、北軽井沢のホテル軽井沢
露天風呂付き大浴場の湯は、鬼押温泉を源泉かけ流しにした濁り湯で、温泉面も満足度が高い。広い部屋が多いのでゆったりと滞在でき、リニューアルしたばかりのレストランのバイキング料理も美味だ。

最後に紹介するのは福島県北塩原村、標高約800メートルの裏磐梯にあるホテリ・アアルト。北欧風の建築がすてきなスモールラグジュアリーの温泉宿だ。オールインクルーシブで、湯上がりに生ビールやスパークリングワインを無料で飲めるのがうれしい。
大浴場の露天風呂のほか、男女交替制の眺めの良い露天風呂がある。露天風呂付き客室もあり、裏磐梯の紅葉と温泉を満喫するのに最適だ。敷地内には五色沼に似た天然のプライベート池が大小二つあり、ちょっとした散策コースになっている。10月下旬の紅葉期は特に美しい。
夕食は毎日メニューが変わる力の入ったもので、地元食材を地産地消で味わえるオーベルジュのよう。夕食時も基本的なお酒は無料で、高級なお酒は別料金で注文できる。翌日の朝食時にはスパークリングワインもあり、運転の予定がなければ、朝からグラスを片手に優雅な時間を楽しめる。
五色沼の中で最も大きな沼、
文・写真/藤田聡
藤田聡
1964年、東京都生まれ。温泉研究家。JTB能力開発主催の第1回温泉旅行検定試験で全国1位となり、「温泉旅行博士」の称号を授与された。翌年も連覇。情報サイトのオールアバウト「温泉」「紅葉スポット」ガイド。入浴温泉数は数千以上。
(月刊「旅行読売」2023年10月号から)

◆月刊「旅行読売」
1966年創刊。「読んで楽しく、行って役立つ旅の情報誌」がモットー。最新号や臨時増刊などの案内は
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