【この人に聞きました】職人技が光る食品サンプルの世界へ
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大和サンプル製作所 代表 伊藤裕一さん

ラーメン、すし、パフェ……ショーウィンドーを彩る食品サンプルの聖地、岐阜県・郡上八幡(郡上市)に伝わる話はおもしろい。
明治の頃、幼い少年が
菊雄さんは戦後上京し、工房を開いた。5人家族が暮らす一間のアパートで、
風向きが変わったのは20年ほど前だったろうか。経済の低迷、人口減少で個人商店が姿を消し、お得意さんも減っていった。悩んだ末に思いついたのが、食品サンプル作り体験だった。蝋をお湯に落とせば天ぷらの衣に変身し、イチゴやリンゴをシリコーンのクリームに盛り付ければ、世界に一つだけのパフェの出来上がりだ。リアルな造形、鮮やかな色彩、その魅力を再発見したのは、インバウンドの外国人観光客だった。

出張イベントを含め、食品サンプル体験には年間2万人が訪れ、体験を楽しんでいる。2人の息子も工房に加わり、欧州やアジアの展示会に招かれるまでになった。一滴の蝋の花が年月を経て、アニメやゲームのような日本発のカルチャーとして世界に広まりつつある。それは現代のジャポニズムなのかも――。
文・三沢明彦
この人に会いに行くには
「カワイイ」と食品サンプルは若者や子どもたちの共感も得ている。イチゴやバナナ、ギョウザにピザ、さらには食べ尽くした骨付き肉にいたるまで、リアル過ぎるサンプルをあしらったキーホルダー、アクセサリーが工房に並んでいる。パンケーキの小物入れ、ミニカレーのスマホスタンド、握りずしのマグネットなどもお土産に人気という。
伊藤さんのサンプル製作体験ツアー
はベルトラの「
日本を
(月刊「旅行読売」2026年4月号から)

◆月刊「旅行読売」
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