桂の間を訪れた石田少年の勇気…晴れ舞台の△7一飛は「判断ミス」、切り返され黒星[第38期竜王戦]挑戦者決定三番勝負第1局 石田直裕六段×佐々木勇気八段戦

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第1譜

(先)六段 石田直裕 × 八段 佐々木勇気

▲2六歩 … △8四歩 …

▲2五歩 … △8五歩 …

▲7八金 … △3二金 …

▲3八銀 … △7二銀 …

▲9六歩 … △3四歩 2

▲2四歩 … △同 歩 …

▲同 飛 … △8六歩 …

▲同 歩 … △同 飛 …

▲8七歩 … △8四飛 …

▲7六歩 1 △2三歩 …

▲2八飛 … 

5時間△0・02分▲0・01分21手

◇…対照的な両者

 午前9時45分、東京・将棋会館「特別対局室」に入ると、すでに石田が下座に着いていた。うっすら笑みを浮かべて、やさしく丁寧にあいさつをするのは、奨励会時代から少しも変わらない。いつもと同じ雰囲気だったので拍子抜けした。

 最高棋戦の挑戦者決定三番勝負という大舞台に進出したことで、もう少し緊張感があるのではないかと勝手に思っていたのだが、いい意味で裏切られた。実に自然体だったからである。

 6分後、佐々木が対局室に入室した。 颯爽さっそう と上座に向かう姿の中にも、いつも以上に緊張感が漂っていた。前期の挑戦者であり、石田とは棋歴で大きく水をあけている。トップ棋士としてここは譲れない。佐々木は「準決勝からすぐの対局でしたので、しっかり疲れをとっていい状態に持っていくこと。相掛かりにどの対策で臨むかを考えていました」と話す。

 本局は7月25日に行われた。記録係を務めた菅原至恩初段による振り駒は、と金が3枚出て、石田の先手番に決まった。定刻の午前10時を迎えて挑戦者決定三番勝負第1局が始まった。

 盤上は佐々木が予想していたように相掛かりに進んでいく。(内田晶)

入室する石田六段=富永健太郎撮影
入室する石田六段=西孝高撮影

第2譜

       △4二玉 …

▲4六歩 … △7四歩 …

▲4七銀 1 △1四歩 …

▲1六歩 … △7三桂 1

▲3六歩 1 △9四歩 4

▲5八玉 2 △8六歩 1

5時間△0・08分▲0・05分32手

◇…充実の躍進

 本局を迎えた時点での対戦成績は、4戦して佐々木が全勝。佐々木がトップ棋士の威厳を示す格好ではあるのだが、あくまで過去のデータと言えよう。石田の今期の充実ぶりは、それをはねのける勢いがあったからだ。

 石田は公式戦10連勝で本局を迎えた。4組優勝で決勝トーナメントに挑み、6組優勝の谷合広紀五段に勝利したのに続き、1組5位の森内俊之九段、1組4位の松尾歩八段、1組優勝の八代弥八段を破って挑戦者決定三番勝負に進出した。

 石田は「本戦のトーナメント表ができた段階でここまで来られるとは想像できませんでした。中2日での対局、間には順位戦もあり、体調面などうまく対応できるかが大事だと思っていました」と語る。快進撃を続けた期間中は「前半は中2日でも研究会を入れて自分を追い込み、後半は休息を多めにしました。作戦面でも全体的にうまくはまっており、ここまでは準備がうまくいっていたのかなと思っています」と説明する。

 佐々木は石田の躍進を「決勝トーナメントは短期間で次々と対局が入るので、その中で内容も良く体力もあるなと見ていました」と感心する。

 石田は大事な三番勝負の初戦を得意の相掛かりに託した。▲5八玉と中住まいに構えて、想定通りに進める。(内田晶)

駒袋から駒を出す佐々木八段
駒袋から駒を出す佐々木八段

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