子供に映画の「自殺シーン」見せますか?…広まる「イッキ見」に懸念も[#しんどい君へ]
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映画やテレビ番組の制作者向けに世界保健機関(WHO)が初めて策定した「自殺予防の指針」。若者の自殺を少しでも減らそうと、WHOが策定したものだが、指針では、スマホの普及などで、映画やテレビ番組の視聴方法が大きく変わったことも影響していると指摘される。ネットフリックスなどで、ドラマを最終回まで「イッキ見」した…というのも珍しいことではない。こうした視聴方法は「ビンジ・ウォッチング」といわれ、若者の間で今、広がっている。

暴力やホラー、増えていく審査対象…映倫

「G」「PG12」「R15+」「R18+」――。映画の健全性を評価するために、映画業界が自主的に設立した「映画倫理機構」は、日本映画、外国映画など年間800本以上を審査する。映倫には「青少年の健全な育成」という目的もあり、映画をこのように4区分し、「G」ならば、誰でも鑑賞できる、「R18+」は18歳以上が視聴可などと指定する権限を持つ。
2018年のカンヌ国際映画祭最高賞パルムドールを受賞した是枝裕和監督の映画「万引き家族」も、「小さな子供には万引きが犯罪であるということは分からないかもしれない」との意見が出て、「PG」(小学生には助言・指導が必要)の指定がついた。
映倫の審査基準は当初、性描写だけだった。しかし、1997年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件などを受け、暴力やホラーも審査の対象となり、その後、未成年の飲酒・喫煙も対象に加わった。映画に描かれるシーンが、社会で起きている出来事と共鳴し、社会に悪い影響を与えないよう歯止めをかける役割も担っている。
映倫関係者は、今回のWHOの指針について、「指針については認識をしている。自殺についても、現状のやり方で対応は可能だと考えている」とする。
センセーショナルな報道で「模倣効果」も
一方で、メディアの研究者からは、ビンジ・ウォッチングの広まりが若者の自殺に影響を及ぼすのではないかという懸念も出ている。「ビンジ」には「過度な」という意味があり、ビンジ・ウォッチングとは簡単に言えば、複数話をイッキ見することを指す。
指針でも触れられているが、自殺をセンセーショナルに報道することで、模倣による自殺が増加することは「模倣効果」と呼ばれる。ゲーテの「若きウェルテルの悩み」が18世紀に出版された時、この本に影響された多くの若者が自殺したことから、「ウェルテル効果」とも呼ばれている。
見慣れると「当たり前」と感じる恐れ…有識者

上智大の
「世界的に考えてもらうのはいいこと」…遺族
自殺で子供を失った遺族は、指針をどう受け止めているのか。
2010年にいじめによる自死で次男
篠原さんはいじめや自死について考えてもらうため、学校などで講演活動をする。その際、自分が真矢君の遺体を発見した時のことを語り、残された遺書についても読んで聞かせる。すると、生徒からは「初めて遺族の声を生で聞いて、自殺は残された人が苦しむのだと分かった」「遺族の方の思いを聞き、自死はいけないとあらためて思った」などという感想が寄せられるという。それだけに、篠原さんは「自死について考えてもらう作品を作ることまで否定されてはいけないのではないかと感じる。自死の描写をすべてNGにしては、そこに至るまでの真実が伝わらないのではないか。遺族としてはそんな危惧を感じる」と話している。
16年8月、いじめを訴える遺書を残し、列車に飛び込んで自殺した青森市立中2年の葛西りまさん(当時13歳)の父、剛さん(41)は「自殺のシーンを見たくない人は見なくてすむように、対象となる映画を指定するような対応も必要だろう。ただ、指針を見てみると、まるで、娘の自死まで否定されてしまったような気がする。若者たちは悩み、どうすることもできなくなって自死している。そのことだけは目を


























