【特集】生徒が企画・運営した「全学年合同」の探究成果報告会…横浜創英
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横浜創英中学・高等学校 (横浜市)では3月、探究活動の成果報告会「プロジェクトフェスタ」が、対象となる全学年合同のかたちで開催された。企画・運営を生徒が主導したフェスタの模様を取材し、生徒たちが成長していく様子をキャリア支援部副部長の田村奈穂美教諭に聞いた。
バラバラ開催に、「先輩の発表も見たい」との声が

同校の探究学習は2017年から本格的に始まり、生徒の興味関心を引き出すための教材を工夫したり、外部講師を招いて講演を行ったりしてブラッシュアップを続けてきた。田村教諭は「テーマを決めたら、仮説・実験・検証・改善のサイクルを繰り返して、発表するまでを一連の流れとしています。暗記学習ではなく、社会に出た時に生かせる力を養成することが探究の目的です」と語る。
中学は週2時間、高校は週1時間、総合の時間に探究学習をする。中1では社会で活躍する講師を招いた講義などを通して、探究の基礎を学び、各自が探究テーマを考える。中2以降は、サイエンスコースでは個人探究、グローバルコースではグループ探究が基本。サイエンスコースは、身近な疑問や社会課題に対するテーマを設定する「問題発見解決型」の探究を行う。中学のグローバルコースでは「社会または学校をより良くする」をテーマに学ぶ。
高校では、日本に暮らす留学生を連れて横浜を案内し、そこで生じた課題の解決策を考える。高校から入学する特進フロンティアコースは、高1で探究の基礎を学び、高2以降に本格的に探究する。
こうした多彩な活動の成果を報告する「探究発表会」はこれまで、中2と中3は合同だが、高1、高2はバラバラに行っていた。それが、対象となる中2~高2の全学年合同での開催となったのは、生徒の熱意ある発案がきっかけだったという。
「23年に、中学生が『高校生の発表を見たい』と提案してきて、全学年合同の探究発表会をやろうという流れができたのです」と田村教諭。「25年度からは新たに発足した実行委員会が運営を主導する『プロジェクトフェスタ』に衣替えしました。教員はサポートに徹しています」
「探究でしかできない経験、大きな成果」

取材したのはフェスタ2日目の3月18日。朝は駅から学校までの各所に運営の生徒が立ち、トランシーバーで連絡をとりながらキビキビと動いて、保護者など来客者を案内していた。会場は校内の新館、本館の各所で、生徒や保護者が見学するなか、中2〜高1のサイエンスコースの生徒たちが個人探究した成果をポスターセッションで発表していた。グローバルコースは、グループ探究の成果をピッチ(短いプレゼンテーション)で発表。新館1階のメディアセンターではグローバルコースの中学生が順番に5分間のピッチをしていた。
各会場には外部講師が2人常駐していて、発表が終わるたびに、「企業と関わる企画なら、利益についてもう少し深掘りしよう」「発表の仕方が上手なので、今後もプレゼン力を磨こう」など、さまざまな視点から講評する。アドバイスを聞く生徒の表情は真剣だった。ポスターセッションでも、16人の外部講師が分担して教室を回って一人一人にアドバイスしていた。生徒や来賓は、各教室に備えられたQRコードを使って、気に入った探究に投票できるようになっていた。
中庭にはクレープとスムージー&ホットサンドを販売する2台のキッチンカーが止まっていた。これはグローバルコースの学生が学校をより良くするための探究活動の一環で招いたものだという。「生徒が自らSNSでキッチンカーのオーナーに連絡をとって招待しました」。昼食時やフェスタ終了後、多くの生徒が利用していたそうだ。

普段は食堂として使われている「フリージアホール」では、中高サイエンスコースの優秀者のポスターセッションが行われていた。高1の探究で松井
「探究のため長野県の祖父母の家で仕掛けを作りました。採取したニホンリスのフンを採取し、大学の教授に協力していただきながらDNA解析も行いました。普通の高校生活では絶対にできない経験を探究ですることができたのは大きな成果でした」
また、新たなアプリの開発をテーマに活動したグループもあった。同じ部活で活動する高1・高2の5人組で、テーマパークなどで1日だけ使用するカチューシャや衣装などを貸したり借りたりできる「シェアトク」というアプリづくりを目指した。AIを駆使してプロトタイプまで完成しており、今夏のリリースを計画中だという。
田村教諭は「一般入試で慶応大学に進学した生徒は、探究にも積極的でしたが、『探究に本気で取り組んだことで、論理的に考える力が養われた』と話していました。探究は生徒を大きく成長させるきっかけになっていると改めて感じました」と話す。
開催10日前からは毎日集まって準備

プロジェクトフェスタを「体育祭、創英祭(文化祭)に次ぐ、第3のイベントに育てたい」と語るのは、高1で3月のフェスタ実行委員会委員長補佐を務めた奈良橋
オープニングからエンディングまでのセレモニー企画、HPや投票システム、パンフレットの作成、当日の人員配置、動線の確保……と課題が山積していたが、フェスタまで10日を切った学年末テスト以降は、毎日集まって魅力的なイベントにするために完成度を高めていったという。生徒約1000人の発表場所の配置決めを担当した鈴木薫子さん(現高2)は、「直前になって急に教室が使えなくなり、配置し直すなど大変でしたが、やりがいがありました」と振り返る。
田村教諭は、実行委員の生徒たちが日々、「大人になっていく」様子が印象的だったという。「話し合ったことが全て実現できるわけではありません。そのような時に『ダメなら代案を考えよう』というマインドで少しずつ行動できるようになっていました。これからも運営力や行動力を主体的に発揮できるよう生徒をサポートしていきたい」と抱負を語った。
(文:安達悠 写真:中学受験サポート 一部写真提供:横浜創英中学・高等学校)
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