[子育て応援団]フリースクール 親子の卒業式…水取博隆さん NPO法人「キリンこども応援団」代表理事
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春、電車には新入生や新入社員の姿が目立ち、街全体が浮足立つ季節。しかし、不登校の子どもを抱える家庭にとっては、感情が大きく揺れる季節でもある。我が子と同じ年の子どもたちが新たなステージに進んでいく様子に、焦りが増す。今この瞬間も苦しんでいる親子がいることを思うと、心が痛む。
親も苦しんだ

私が運営している大阪府泉佐野市のフリースクールでは、毎年卒業式を行う。それは、学校の卒業式には参加しない子どもたちだけでなく、共に苦しんできた保護者のためでもある。
「不登校は親の責任」という風潮がある。しかし、私はそうは思わない。多くの保護者は当初、子どもが学校に行けない現実を受け入れられず、動揺し、悩み、苦しむ。無理やり学校に連れていくこともあれば、責めてしまうこともある。そのたびに追い込まれていく子どもの姿を目の当たりにし、ギリギリの状態でフリースクールにたどり着く。
涙ながらに相談に来る保護者を、私は見てきた。「保護者が悪い」なんて簡単には言えない。むしろ、勇気をもって子どもをフリースクールに
今春は、8人の中学3年生が卒業した。当初は人と目を合わせられない、話せない、ご飯も食べられない状態の子もいた。それでも卒業式では、そんな姿が遠い過去のように、それぞれが力強く
式には、子どもが在籍する学校の先生も参加する。印象的だったのは、卒業生の挨拶で、先生への感謝の言葉があったこと。「とてもよくしてもらったのに学校には行けなくてごめんなさい。でもフリースクールに通う私を認めてくれたことが
社会は変わりつつあるが、その変化には時間がかかる。一方で、子どもたちが子どもでいられる時間はそう長くない。だからこそ、私たちの使命は過渡期の今を少しでも早送りし、子どもたちの未来を早く広げることだと感じている。
未来思い描く
式の後、一人の卒業生から手紙をもらった。そこには、死のうとして何度も自分を傷つけた過去が
ありがとう。でも、あなたを救ったのは私たちではない。あなた自身の力であり、言葉が届かないような頃から、ずっと見守り続けてくれた人たちの愛情だ。家から、学校から、離れていても、想い続けてくれていた人たちがいる。
今の自分があるのは、たくさんの人に支えられてきたからだという気づきを、そっと手渡して送り出す。そして、それが未来を生きる大きな力になる。そこまでが「居場所」の役割なのだと思っている。


























