松山市アリーナ計画見直し バイクス本拠地想定 サイボウズ撤退表明 

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「駅周辺整備難しい」

 JR松山駅周辺の再開発を巡り、松山市は30日、アリーナ計画を見直すと明らかにした。バスケットボール・愛媛オレンジバイキングス(OV)の本拠地とする想定だったが、OVを傘下に持つIT企業サイボウズが、駅周辺の立地条件を踏まえ、「整備は難しい」と撤退意向を表明。再開発の中核に位置づけた計画が白紙になり、市は、閉館が決まった市民会館の代替施設建設などを模索する。(辰巳昌宏、洞井宏太)

共同の記者会見に臨んだ野志市長(左)と青野社長(松山市役所で)
共同の記者会見に臨んだ野志市長(左)と青野社長(松山市役所で)

 野志克仁市長とサイボウズの青野慶久社長が同日、松山市役所で共同の記者会見を開いた。

 計画では、アリーナの収容人員は5000人以上でOVの試合やコンサート、イベントに対応できる多目的施設を整備するとし、公設民営の場合、事業費を200億円と見積もった。

土砂が盛られたままのアリーナ建設予定地。後方がJR予讃線の高架(4月16日、松山市で)
土砂が盛られたままのアリーナ建設予定地。後方がJR予讃線の高架(4月16日、松山市で)

 青野氏は「エンタメビジネスの要諦は、体験価値が高い箱をローコストで造ること」と言及。採算性を確保するためには正方形で約1万平方メートルの土地が必要とし、予定地の車両基地跡地(9250平方メートル)は長方形で周辺開発の余地がなく、「駅前ではいい図面をつくれなかった」と撤退の理由を説明した。

 これに対し、野志市長は「残念だが、致し方ない。駅近の優位性を訴え、緊密に連携してきたが、サイボウズと合致しなかった」と述べた。市は3月、アリーナ計画を中核とした再開発の「まちづくりプラン」を発表したばかりだが、同社の撤退意向は把握していなかったという。

 一方、野志市長は「アリーナ計画が白紙になったとは考えていない」とも語り、計画断念を否定。今年度中に整備事業者を公募する可能性を含め、経済界や市議会の意見を聞きながら、早急にプランの変更を必要に応じて行うとした。

 青野氏は共同会見後、事業費を市案の半分ほどの110億円に抑えた独自のアリーナ整備案を発表した。複数の自治体との交渉を進め、年内をめどに建設用地を選定するとしたが、採算性などを判断した上で「造らない選択肢もある」と含みを持たせた。

サイボウズが示したアリーナのイメージ
サイボウズが示したアリーナのイメージ

 OVの本拠地となるアリーナ整備には、松前町も候補地として名乗りを上げている。共同会見を受け、田中浩介町長は「県全体でアリーナを考える前向きなものと捉えている。松前町が選ばれるなら、サイボウズと一緒に考えていきたい」と期待した。

 再開発では当初、跡地に文化ホールを整備する構想が示されたが、2024年9月、経済界の要望を受け、市長がアリーナ計画へと実質的に変更。その後、老朽化した市民会館の閉館が決まり、代替施設の整備を求める意見も多い。

 これについて野志市長は「フェーズが変わった。活用法を早く判断したい」と述べるにとどめた。

 代替施設の市検討会委員で、松山コンサートホールを創る会の池田慈代表は「市検討会で文化拠点の建設が濃厚になれば、(跡地活用の基本構想など)ベースがあるので早く建つ可能性がある。納得感が高い施設となるよう情報を見守りたい」と話した。

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