上醍醐復興と下醍醐の伽藍整備進める…醍醐寺・壁瀬座主、「仏さんを近い存在と知り寺を訪れて」

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 真言宗醍醐派総本山・醍醐寺(京都市伏見区)で5月、2008年の落雷で焼失した上醍醐・ 准胝じゅんてい 堂の本尊、准胝観音 坐像ざぞう ののみ入れ式があった。開創1150年の節目を昨年迎えた寺は、醍醐山上の発祥の地・上醍醐の復興や、台風被害を受けた下醍醐の 伽藍がらん 整備などを進めている。現代人の宗教離れが加速する中、壁瀬 宥雅ゆうが座主ざす (76)に寺の将来像などを聞いた。(畝河内星麗)

■下醍醐には庭園

  ――のみ入れ式を終えて。

醍醐寺三宝院の庭園を前に笑顔を見せる壁瀬座主(京都市伏見区で)=川崎公太撮影
醍醐寺三宝院の庭園を前に笑顔を見せる壁瀬座主(京都市伏見区で)=川崎公太撮影

 准胝観音ののみ入れを本当にうれしく感じています。お像は3年後の完成を目指しており、堂再建に向けた大きな一歩となります。

 私が僧侶になった50年前は多くの方々が上醍醐を参られていた。約20年前から上醍醐で営むべき法要が、参拝しやすい下醍醐で営まれるようになっていきました。上醍醐の復興に向け、堂の再建をはじめ、入山料を撤廃し、山上での法要の復活に取り組んでいます。

  ――麓の下醍醐は。

 2018年の台風21号でスギやマツ約3000本が倒木し、金堂の西側は今もその爪痕が痛々しい。昨年から末寺の方々と協力し、植樹を始めました。「法流の もり 」と名付け、春の桜、秋の紅葉を楽しめる庭園としてよみがえらせたい。

  ――昨秋、開創1150年を祝う50年に一度の 慶讃けいさん 大法要が盛大に営まれた。

 醍醐の伝承すべき真言密教と修験道、東大寺の流れをくむ「三論宗」という三つの法流を象徴する法要ができ、上醍醐でも大規模な 護摩供ごまく を再興した。非常に有意義な一年となりました。

■宗教教育が重要

  ――寺の機構改革にも着手している。今年1月発行の寺の機関誌では、座主自ら喫緊の改革の対象として、座主の「終身制」を挙げた。

 座主は宗教法人の代表役員も兼務しています。終身制は皆が一つの方向に長期的に取り組める良さはあるが、社会的役割を果たす法人の長という面で、以前から高齢の座主が適任かという問題意識がありました。

 多くの末寺を抱える本山で責任を果たすため、任期制を取り入れるのも一案だと考えています。

  ――「墓じまい」や「宗教離れ」が加速する現代の風潮をどう捉えるか。

 大きな問題ですが、日本人には家庭内で育まれた宗教観が自然と備わっていると思います。昔は、物事の善悪の基準も家庭や学校で教わったものです。昨今、宗教に関連する事件が多くアレルギーを持つ方も多く見受けられますが、宗教の善しあしを見抜くリテラシーを養うためにも、学校などでの宗教教育が重要だと考えています。

  ――最後に若者に伝えたいことは。

 お寺、特に本山というと近寄りがたいと思われがちだが、仏さんを友達のような近い存在だと知っていただきたい。仏さんとご縁を結んでいただける「五大力さん」(2月23日)などにぜひ一度、寺を訪れてみてほしいと願っています。

  ◆醍醐寺= 空海の孫弟子、理源大師 聖宝しょうぼう が奈良・東大寺で修行を終えた874年、准胝・如意輪両観音を自ら刻んで上醍醐に創建した。准胝堂は西国三十三所第十一番札所で、焼失後、札所は下醍醐に移され、上醍醐の参拝者は激減。上醍醐ではかつてのにぎわいが見られなくなった。

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