火花散らす激しい祈祷、子ども向け漢方薬を商った先祖を思う…秦家の年中行事
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安産や育児の神「鬼子母神」の像をまつる祭壇と、法華経の守護神「三十番神」の軸が5月19日、座敷の床の間に整えられた。日蓮宗檀家の秦家で、年に3回営まれる祈祷「正五九」の日。ほかは1月と9月で、家業の初代の命日である19日に執り行っている。

秦家の菩提寺、了光院(京都市下京区)のお上人さん(住職)によるご祈祷は迫力があり、激しい。カン、カン、カン――。火打ち石で火花を散らし、木剣と数珠を打ち合わせると甲高い音が鳴り響く。手を合わせて座る秦めぐみさん(68)と母のトキさん(91)のもとへも近寄り、体をさすって魔を払う。

子ども向けの漢方薬を商った秦家ならではの年中行事。今ではもう、同様の祈祷を続ける了光院の檀家は秦家以外にないという。

さらに、祭壇隣の仏壇には、初代から昭和までの先祖の名を記した過去帳を供え、お上人さんが全てを読み上げている。
「毎回行事が終われば気持ちがすっきりします」。先祖を思う心や代々の信仰の形が守り継がれていく。


























