Let’sstudy 広島弁 外国人介護職員へハンドブック 市製作 「意思疎通円滑に」

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 広島市は、外国人の介護職員向けに、現場でよく使われる広島弁をまとめたハンドブック(A4判、8ページ)を製作した。来日前に学ぶ日本語は標準語が多く、方言を理解できずに入所者らとうまくコミュニケーションを取れないケースが多いという。市介護保険課の担当者は「高齢者との意思疎通が円滑になり、介護サービスの向上につながれば」と話す。(岡本与志紀)

外国人の介護職員向けに作られた広島弁のハンドブック(広島市中区で)
外国人の介護職員向けに作られた広島弁のハンドブック(広島市中区で)

 ハンドブックには、「てごうする(手伝う)」や「しわい(しんどい)」「たいぎー(めんどくさい)」など68単語を、「会話」「動き・行動」「気持ち・様子」などテーマごとに整理し、イラスト付きで紹介している。

 「あそこは人がぶちおいーけ、行くんたいぎーわ(あそこは人がすごく多いから、行くのがめんどくさいな)」「わしいごかれんけーたのむわ(私は動けないから頼むよ)」「歯がはしるけー 固いもん食べられんわ。やおいもんないかのー(歯が痛いから固いものが食べられないなあ。やわらかいものはないかなあ)」といった例文も20通り記載し、QRコードを読み取って音声で聞くこともできる。市はハンドブックを広く活用してもらおうと、公式ホームページで公開している。

 県外国人介護人材協議会によると、県内で働く外国人の介護職員は、2019年末の約460人(推定)から、25年末には約3910人(同)まで増えた。慢性的に人手不足が続く介護施設では重要な戦力となっており、市は「定着につなげたい」とハンドブックの製作に乗り出した。介護事業所などから入所者がよく使う広島弁を聞き取り、約60万円をかけ、今年2月に完成させた。

 同協議会の坂本尚己会長(72)は「介護にとって円滑なコミュニケーションは重要。来日前の学習にも使えるようにしてほしい」と語った。

 

■「日本語と違う言語のよう」 

 「少しでも長く日本で働けるよう広島弁をマスターしたいので、こういう本ができるのはありがたい」。そう語るのは、広島市安佐北区の特別養護老人ホーム「なごみの さと 」で介護スタッフを務めるメイラニ・ルリアさん(22)だ。

入所者と談笑するルリアさん(右、広島市安佐北区で)
入所者と談笑するルリアさん(右、広島市安佐北区で)

 インドネシア出身で、昨年8月から技能実習生として働き始めた。移動介助や 口腔こうくう ケアなど、入所者の生活を支える業務に従事する中、ぶつかった壁が広島弁だった。来日前に半年間、母国の日本語学校で学んだが、入所者の言葉はほとんど聞き取れなかった。

 ある日、入所者から、「手がたわん(手が届かない)」と言われた。近くにある物を取ってほしかったようだが、理解できなかった。食事介助中には「食べられん」という言葉を「食べられる」と勘違いし、食べ物を口に入れようとしたことがあった。広島弁の「じゃけえ」も耳慣れず、「最初は怒られているのかと思った。方言は日本語と違う言語のようだった」。

 なごみの郷では日本人職員が講師となり、日常会話などの勉強会を開催しているが、専門家ではないため教えるのも一苦労だ。施設側は「日本人でも、世代によっては知らない方言がある。ハンドブックがあると非常に助かる」と喜ぶ。

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