「一番美しい夕日」を受け取れる場所…「日本の夜」を守る出雲・日御碕で癒やされるひととき

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日が沈む聖地出雲(島根県) 

ウミネコがひしめく経島を夕日が照らす=島根県出雲市提供
ウミネコがひしめく経島を夕日が照らす=島根県出雲市提供

 「今日の夕日予報は『100%』。最高の夕日が見られそうですよ」

 4月中旬、島根半島西端の島根県出雲市日御碕地区にある観光案内所「日御碕ビジターセンター」で、ガイドの渡辺一枝さん(60)が予報が示された案内板を指さした。海へと続く遊歩道を歩けば、潮騒と共に、古くから人々が夕日に祈りを捧げてきた聖地の気配が伝わってくる。

 2017年に認定された日本遺産「日が沈む聖地出雲」は、23の構成文化財で語られる。核となるのは、出雲に息づく「夕日への信仰」だ。

 古事記の「国譲り神話」の舞台「稲佐の浜」をはじめ、出雲の海岸線は、神々の国への入り口と考えられてきた。日が昇る伊勢に鎮座する伊勢神宮(三重県)が日本の昼を守っているのに対し、日が沈む出雲・日御碕に鎮座する日御碕神社の「 日沈宮ひしずみのみや 」は「日本の夜」を守っている――。その独自の文化は今もこの地に根付いている。

 構成文化財の一つ、出雲日御碕灯台(国重要文化財)は1903年に設置された。石造りの灯台としては日本一の高さ43・65メートルを誇る。渡辺さんは「灯台の白い石肌が夕日に照らされる姿は、海と空の境界を守る道しるべのようで格別」と語る。

日御碕神社について説明する渡辺さん(島根県出雲市で)
日御碕神社について説明する渡辺さん(島根県出雲市で)

 灯台から海沿いに細い道を約10分歩くと、朱塗りの壮麗な日御碕神社が現れる。 天照大神あまてらすおおみかみ をまつる「日沈宮(下の宮)」と 素盞嗚尊すさのおのみこと をまつる「神の宮(上の宮)」からなる。「太陽神である天照大神を日没の夕日と結びつける点が出雲ならでは」と渡辺さん。毎年8月7日の夕刻には、夕日の祭り「 神幸神事みゆきしんじ 」が行われる。

 日御碕にある国の天然記念物・ 経島ふみしま ではこの時期、数千羽のウミネコがひしめく。5月の連休明け頃には繁殖のピークを迎え、ヒナが誕生し始める。夕日に染まる空を親鳥たちが舞う姿はこの季節だけの特別な光景だ。

 渡辺さんは約8年にわたりこの地を案内してきた。「日御碕は『自然からの贈り物』である夕日を一番美しい形で受け取れる。自分自身と向き合い、心身を癒やす貴重なひとときをお過ごしください」(松江支局 豊島瞬)

 日御碕ビジターセンターは午前9時から午後5時まで開館(入館無料)。出雲日御碕灯台の参観は午前9時から午後4時半(土日祝は午後5時)まで。正午から1時間は休業、中学生以上300円。日御碕神社は参拝自由。経島のウミネコは遊歩道から随時観察できる。

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