オカメ 美学追求あでやかな桜
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サクラの季節の到来です。その中にあってさながら江戸小紋の模様をちりばめたように繊細であでやかなピンク色の凜としたサクラがオカメ=写真=で、マメザクラ(豆桜)とカンヒザクラ(寒緋桜)の交雑種です。
英国のサクラ研究家で“チェリー・イングラム”とも呼ばれていたコリングウッド・イングラムによって1947年(昭和22年)に作出された新しいサクラの園芸品種です。あでやかな色合いは両親の中間色で、釣り鐘のように垂れた花はカンヒザクラ仕込み、大きく開きキリッとした花はマメザクラ譲りです。寒いうちから咲くカンヒザクラの影響を受けて、マメザクラより早い開花となります。
イングラムは日本を3度ほど訪れ京都や奈良、東京のサクラを存分に見て回りました。各地の気に入ったサクラを接ぎ木する穂木を求め、帰国にあたって英国に送ってくれるよう依頼しました。このおかげで彼の桜園では1925年(大正14年)には70品種のサクラが咲き誇っていました。最終的には「100種類以上の日本の桜を庭園で育てた」(阿部菜穂子「チェリー・イングラム」)とあり、イングラムは英国における「サクラの権威」としての地位を確立しました。
1930年(昭和5年)のイングラムの「日本の桜―西洋の庭園への最大の贈り物」という文章では、ソメイヨシノの花具合はあまり評価せず、むしろマメザクラなどの野生種は静かな優美さと同時に自由
暖かい所のカンヒザクラをロンドンのキュー植物園の温室に求め、マメザクラと掛け合わせて作出したのが「オカメ」です。まさに彼の美学を追求した


























