♪もうすぐ9時ですねえ、LINE控えてみませんか…生徒自らスマホ時間を決定・専門家の助言は
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スマートフォンの使い過ぎやルール作りなどが議論を呼ぶ中、宮城県東松島市の全11の小中学校で、児童生徒が自ら使用時間を決める取り組みが注目されている。「デジタルメディア・コントロール・チャレンジ(通称・でめこん)」と呼び、各学校が独自の活動で、スマホとの関わり方を考えている。(榊悟)

♪もうすぐ9時ですねえ LINE控えてみませんか――
キャンディーズの「春一番」の替え歌で、LINEの適度な利用を呼びかけるのは矢本第二中学校の校内アイドルグループ「NICHIU(ニチユー)」。生徒会執行部を中心に結成し、校内放送に出演したり、文化祭や地元の祭りに参加したりと宣伝活動に大忙しだ。
生徒会副会長の三浦花さん(3年)は「情報社会の中でスマホは手放せないけど、自分でコントロールすることが大切なことをPRしている。歌って踊って楽しいし生徒にも親にも効果的」と笑顔。鈴木瑛斗さん(2年)も「実際にテストの点数も上がってきた。プラス思考でいい活動ができている」と意欲満々だ。

同市では2021年から、スマホやゲームの利用を減らして生活を整え、空いた時間を学習や読書に充てる「でめこん」を全小中学校で展開する。具体的な使用時間は、児童生徒の代表者による話し合いで決定。中学生の使用は「1時間程度」、終了は「午後9時」など、ルールではなく目指すべき目標として「東松島ゴール」と呼んでいる。
各学校では、校内新聞や動画によるPRや、川柳大会に似顔絵大会、日々の実践をチェックシートに記入してグラフ化したり、クラスで競い合ったりと、多彩な取り組みを展開している。
家族や地域への働きかけに力を入れる学校もあり、放課後の図書館を親子に開放する小学校や、空いた時間で家の手伝いや家族との会話を増やす運動をしている中学校もある。

どの取り組みも生徒のアイデアや自主性を生かしたユニークなものばかり。親子で一緒にでめこんにチャレンジする家庭も増えているといい、市教育委員会では「学校や子どもたちを通じて地域全体の意識が高まっている」と指摘する。
東松島市の渥美巌市長は「学力向上のような具体的な成果はこれからだが、子どもたちを最大限に尊重して自分たちで決めることは効果が高いと思っている」と強調する。
スマホを巡っては、愛知県豊明市で今月、全市民を対象に余暇などでのスマホなどの使用時間の目安を「1日2時間以内」とする条例が市議会で可決され、成立した。義務や罰則を設けない理念条例となっている。
長時間利用集中力低下 東北大・榊助教に聞く
スマホの適度な利用方法について東北大応用認知神経科学センターの榊浩平助教(脳科学)に聞いた。
子どもの使用を抑制するには、東松島市のように自分たちで話し合って決めることが重要。この自己管理能力を養うことで脳の活性化につながる。子どもの頃に鍛えれば、デジタルメディアが進化しても、依存せずに使いこなす力がつくはずだ。

東松島の取り組みは、家庭、地域を巻き込んでおり高く評価できる。「ゴール」と呼んで自分のできる範囲で改善していこうという考え方も素晴らしい。
仙台市の子どもを対象に行った調査では、スマホを全く使わない子より、「1時間未満」に抑えている子の成績が良かった。長時間の利用で脳の発達が広範囲で止まり、集中力の低下を引き起こすことも明らかになっている。
まずは1日の行動で、自分がどんなアプリやデバイスを使っているかを記録することが大事だ。目的があることと、だらだらやっていることを仕分けし、後者の時間を別の活動に置き換えるといい。
お薦めは読書と運動。工作でも音楽でも何でもいいが自分のやりたい趣味を別に作って、スマホの時間を押し出すことが効果的だ。


























