くまモンが復活した「こどもの日」から10年、熊本地震からの復興に奔走…「温かい応援でパワーをもらったモン」
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2016年4月の熊本地震では、熊本県のPRキャラクター「くまモン」が復旧・復興の旗振り役を担い、被災者に寄り添ってきた。地震直後、一度は自粛した活動をファンの声に押されて再開したのは、その年の5月5日。取り組みは熊本だけにとどまらず、笑顔が戻るひとときを各地の被災者に届け続けている。(中村由加里)
被災者の心情を害するかも…

「くまモーン!」
4月18日に熊本県西原村で開かれた復興感謝祭。ステージに現れたくまモンは、得意のダンスを披露すると、来場者とハイタッチを繰り返した。一緒に踊るために練習したという「にしはら保育園」の女児(5)は「(くまモンの体は)モフモフだった。元気が出た」と喜んだ。
10年に誕生したくまモン。名前は「熊本の者」を意味する方言「くまもとんもん」に由来し、愛らしい見た目とやんちゃな言動がファンをひきつけた。ギネス世界記録を狙い、連日SNS投稿を続けた。
だが、16年4月14日に「前震」が発生すると、投稿をストップした。不用意な言動が被災者の心情を害するかもしれない――。マネジメントの担当部署はそう判断した。11年の東日本大震災では約4か月後に訪問した実績があったが、被災直後の県民の心情を気遣った。
発信が止まったくまモンに、SNS上では心配するメッセージがあふれた。県庁にも手紙やメールが届き、担当者らは熟慮を重ねた。「つらい思いをしている被災者に寄り添おう」。出した結論は「活動再開」だった。
「心のよりどころになっていた」

復活は「こどもの日」と決まった。その舞台が、4月16日の「本震」で震度7を観測した西原村で避難所となっていたにしはら保育園だった。姿を現すと、子どもたちが「くまモン久しぶり!」「会いたかったよ」と声をかけてくれた。
輪の中にいた男性(15)(県立翔陽高1年)は当時5歳。自宅の倒壊は免れたものの、食器棚が倒れるなどした。車中泊で1~2週間過ごし、退屈さを感じていた時にくまモンが来た。おぼろげだが、「うれしくて、すぐにさわりに行った」。
張り詰めていた被災者の気持ちは和らぎ、様子を見ていた大人の中には涙を流す人もいた。「年度初めの慣れない環境で被災した子どもたちを笑顔にしてくれて、大人たちも心がほっこりした」。避難所を運営していた保育士の男性(42)は振り返る。
長年、くまモンを見守ってきた
幼稚園などを計245回訪問

くまモンは復興に向けた活動のシンボルとなり、被災後の約6年間で小学校や幼稚園などを計245回訪問した。16年11月~18年3月には支援のお礼として46都道府県をまわった。20年7月に熊本県などで大きな被害が出た九州豪雨でも、小学校や避難所を訪れた。
元日に大きな揺れが能登半島を襲った24年には、知事から全国の被災地を応援する「復興応援“絆”大使」に任命された。熊本地震では、震度7を2度観測した熊本県

支援に奔走した熊本地震について、「あの日のことは一生、忘れないモン。みなさんの温かい応援でパワーをもらったモン!」とフリップに書いて振り返ったくまモン。「熊本地震の記憶と、学んだことを未来につないでいくモン!」と決意を新たにしている。


























