従来型の五輪は限界、ミラノはIOC会長「新たな形」…広域開催や施設活用で打開図る

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 五輪史上初めて複数都市名を冠したミラノ・コルティナ冬季五輪が、閉幕した。イタリア北部4か所の会場群に散らばった広域開催の背景には、開催経費の肥大化や気候変動を受け、従来型の五輪が限界を迎えている現実がある。(パリ支局・平地一紀、ジュネーブ支局・船越翔)

 移動距離にして400キロほど離れたミラノとコルティナダンペッツォで22日、聖火が消え、冬の祭典が閉幕した。会場はイタリア北部の約2万2000平方キロ・メートルの範囲に分散し、従来と比べて移動に時間と労力を要した。開会式の行進も各地で行い、選手村も6か所。選手同士の交流が減り、スキージャンプの二階堂蓮(日本ビール)と小林陵侑(チームROY)は「各競技で開催地が分かれ、(単一競技の)世界選手権と同じような雰囲気」と印象を口にした。

 国際オリンピック委員会(IOC)の改革が節目を迎えたのは、2014年だった。ソチ冬季五輪は英オックスフォード大グループの推計によると、都市開発や鉄道建設費などを除いても開催経費が約290億ドル(約4兆5000億円)に達した。巨額の負担を嫌って招致から撤退する都市が相次ぎ、「五輪離れ」に危機感を抱いたIOCが改革指針を策定。既存施設の活用や複数都市での開催などのコスト削減策が提言された。今回は競技会場の約85%を既存・仮設施設でまかなった。S&Pグローバル・レーティングの試算では、インフラ整備費を含めても約60億ユーロ(約1兆1000億円)にとどまる見通しだ。

伊リビーニョで行われた開会式で入場行進する日本選手団(左)。大画面(右)にはミラノで同時進行の開会式の様子が映し出された(6日)=三浦邦彦撮影
伊リビーニョで行われた開会式で入場行進する日本選手団(左)。大画面(右)にはミラノで同時進行の開会式の様子が映し出された(6日)=三浦邦彦撮影

 IOCのコベントリー会長は、「検証は必要だが、持続可能な新たな開催方法という点では成功している」と誇った。

 温暖化で冬季五輪開催に適した都市は減りつつある。22年北京五輪はほぼ全て、今大会では過半数の会場で人工雪を使って実施されたとの指摘もある。次回仏アルプス五輪も広域開催の予定で、この流れは、活動を停止している札幌冬季大会招致にも影響しそうだ。

 東京大会組織委理事を務めた 來田らいた 享子・中京大副学長(五輪史)は「冬季大会開催に手を挙げる都市が少なくなり、苦しいIOCにとって広域開催は一つの打開策になる」と話している。

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