完了しました
昨年、ポメラニアンとトイプードルのミックス犬、ポメプーのオスを保護施設から迎え、私、夫、愛犬の「3人」での生活がスタートしました。私にとって初めて飼う犬です。
愛犬は夫婦円満の神?

夫は元々愛犬家で飼う気満々だったのですが、私は自分のお世話で手いっぱいなところがあるので生き物の面倒が見られるのか自信がありませんでした。なにしろ、サボテンさえ枯らしてしまうのですから。
2020年頃、私のラジオ番組で愛犬家の著名人を招き、犬との生活について話を聞くコーナーがありました。みなさん、目を輝かせて「犬と出会って人生が変わった」「夫婦仲が深まった」と言うのです。人生が好転する……? それはどんなものかと、半信半疑ながら興味が湧きました。
そして、仲良しの友人でプロフィギュアスケーターの村上佳菜子ちゃんが、保護犬2匹を飼っていました。彼女からも犬の魅力を説かれ、彼女がお世話になった保護施設のインスタグラムをフォロー。すると、ポメプーの子犬の写真に目がくぎ付けになりました。飲み水が入った器に顔を突っ込んで寝る。ほかの犬の動きに圧倒されて転ぶ。なんて鈍くさいんだろう! その鈍くささから性格の良さも漂い、もう気になって仕方がありません。
夫はトイプードルを飼いたがっていました。これは私の
一方、私が飼いたかったのは、真っ白いフワフワした毛が特徴的な大型犬のサモエド。ポメラニアンの先祖はサモエドと考えられており、ポメプーの子犬を見て「これほどまでに夫婦の合点がいく犬がいるだろうか」とビビッときました。
こうしてトライアルを経て迎えた、生後3か月のポメプーくん。夫婦で話し合い「
ちなみに、ほかに候補に挙がった名前は「前川さん」。これは姓名判断で「凶」だった……。全国の前川さん、ごめんなさい!
愛おしすぎ 「母性」かも

私のペット飼育歴といえば、北海道の実家にいたニワトリぐらいでした。お祭りで買ったヒヨコが大きくなったり、近くの養鶏場からニワトリをもらったり。彼らに名前はなく、懐く気配もありません。なので、ペットではなく「家畜」というイメージでした。
こうして私のペット観は培われたので「ペットは家族」と言われても、理解できませんでした。しかし今、ポメラニアンとトイプードルのミックス犬「
動物と意思疎通ができることも、初めて実感しました。例えば「明日は読売新聞の撮影だよ」と声をかけると、楽しみすぎて玄関で寝た神ちゃん。「犬って、こんなにかわいいんだ」と思う出来事ばかりです。
最近は、腹が立つおじさんに会った時に「彼も誰かにとっての『神ちゃん』。愛されて育ったはず」と考えるのです。するとスーッと穏やかになれるので、考え方の幅が広がりました。
私の頭の中は、神ちゃんのことばかり。仕事中も愛犬が気になり、自宅に設置したペットカメラを頻繁にチェックしてしまいます。
ここまで心配性になったきっかけの一つが、吐血事件です。ある夜、夫婦で焼き鳥を食べていたら神ちゃんが血を吐き、動物病院に駆け込みました。獣医師さんが「焼き鳥の串の本数を確認してください」と言うので自宅にいた私が数えると、1本ない! どうやら一瞬目を離した隙に、神ちゃんがのみ込んでしまったようです。「これは手術だ」と焦っていたら串を吐き出し、事なきを得ました。
猛省し、それ以降余計な物は置かないようにしていますが、神ちゃんは超ヤンチャでジャンプ力も驚異的。いたずらをして事故につながったら……と思うと、気が気ではありません。
この状況に、夫は嫉妬しているようです。お
そういえば、保護犬を飼っている知人が「うちは子供がいない夫婦で点と点、線のような関係だったが、犬のおかげで面になった」と力説していたっけ。私は自然に任せたいのに、夫は勝手にトリミングに連れて行った――。そんな教育方針の相違による
我が道行く「Z世代」か!?
1990年代半ばから2010年頃までに生まれた若者を「Z世代」と呼びます。彼らは「個人」や「自分らしさ」という視点を重視する傾向があり、素直で柔軟性に富む。抑えつけられるより、褒められて伸びるという印象もあります。
ポメラニアンとトイプードルのミックス犬「
うちのマンションでは、共有部分の廊下に出たらペットは抱っこするのがルールです。散歩に行く時は「抱っこ」と言うと、立って抱っこをせがんできます。しかし、散歩から帰ってきた時に「抱っこ」と指示しても知らん顔。まだまだ散歩がしたいのです。
つい最近まで反抗期だったのか、命令を無視しがちな神ちゃんに悩まされていました。何度怒っても、靴や小物をくわえてダッシュして、

そして、とにかく褒めてもらうのが大好き。特に女性の高い声で「いい子だね~」なんて言ってもらうと満足するようで、トイレが上手にできると、ドヤ顔で私にアピールしてきます。
以前、我が家で芸人仲間で飲んだ時、最初は男性しかいませんでした。しかし女性が加わった途端、神ちゃんはジャンプしたり、駆け回ったりして大興奮。私がコラボレーションしている下着メーカーのオフィスに連れて行った時の興奮ぶりは、言うまでもありません。大勢の女性社員に囲まれてチヤホヤされ、彼はさぞかしいい気分だったことでしょう。
夫は私とは違って、基本的に犬の躾には厳しいのですが、褒める時は女性のような高い声を出そうと頑張ります。でも、この間は高い声を出しすぎたのか「僕、ミッキーだよ! ハハッ!」とモノマネになっちゃって……。ちょっとおかしな夫婦を、神ちゃんは心なしか笑顔で見守っています。
思い返せば10代の頃の私も、神ちゃんと似たところがありました。私も、押しつけられるのは苦手なタイプ。だから、神ちゃんのことも自主性を尊重したい。最近のドッグトレーニングは、抑えつけから個性を尊重する教育へ変わってきているようで、安心してます。
きっと神ちゃんは、私のことを飼い主というより「マブダチ」だと思っているでしょう。Z世代でいうと、インスタグラムに投稿する写真やプリクラを一緒に撮る間柄といったところです。
有り余る元気 受け止め
インターネットなどで検索すると「ポメラニアンとトイプードルのミックス犬(ポメプー)の平均体重は2~3キロ」とあります。
しかし、ポメプーの愛犬「
神ちゃんはこの大きさゆえ、ペットショップで販売できず、保護施設に引き取られました。生きているのに規格外の野菜や果物のように扱われるなんて。心が痛みます。これまで動物愛護というと、大自然の中で動物を飼育するムツゴロウ王国のイメージしかなかった私。愛犬との出会いで、ペット流通の現実を垣間見ただけでも、動物愛護の一歩になったかもしれません。
そんな過去はさておき、日々、神ちゃんは有り余る元気をぶつけています。

犬の保育園に預けると、園での写真が送られてきます。写真は、決まって犬の本能むき出しで、ほかの犬と取っ組み合っている様子。この写真は園のSNSに投稿されるので、相手の飼い主さんも見るのです。「迷惑かけてないですか」と尋ねると、「若いワンちゃんはこんなもんですよ」と
ドッグランでも、テンションが上がって超爆走。気がつくと、フィールドの外に多くの見物人がいます。「あんなに俊足の犬、見たことない」「いやー、色んな犬がいますね。ドッグランに来たかいがあった」。そんな声が聞こえてきて、すっかり注目の的です。そのうちに神ちゃんの相手ができる、同レベルの運動量の犬が登場。「おぉー!!」と見物人から拍手が起こりました。
飼い主としては保育園やドッグランでの所作について悩むところですが、40、50代ぐらいの男性がよく「神ちゃんはかわいい」と褒めてくれます。野性味が田舎の雑種犬を思い出させるのでしょうか。
それにしても、運動嫌いだった私が愛犬と外出したり、散歩を楽しんだりするようになったのは自分でも驚きです。ワンメーターの距離でも、タクシーに乗るほどだったのですから。
そして以前は「体は消耗品」と考え、出来合いのお弁当ばかりでした。これも「愛犬を
(このコラムは、読売新聞で11月に掲載されたものをまとめて再掲載しています。)
この記事のカテゴリ
身近な話題、リアルな体験談とアドバイスを紹介する「大手小町」


























