ヘアメーキャップアーティスト太田晴也、スコティッシュフォールドが優しい気持ちをもたらす
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猫のちくわ(オス、5歳)と暮らしています。折れ耳が特徴的なスコティッシュフォールドですが、ちくわは耳の立った子です。ちくわと出会ったのは、私が24歳の冬でした。親元を離れて一人暮らしを始め、1か月がたった頃です。
実家は5人家族で、私が3歳の頃から2匹の猫と生活していました。だから、一人暮らしを始めた途端に部屋が静かすぎて、心にぽっかり穴が開いたような気がしました。帰宅しても誰もいない。夜になると寂しさが募り、毎日のようにスマートフォンで猫と暮らすための情報を検索したり、見かけたペットショップをのぞいたりしていましたが、なかなか「この子だ」とピンとくる出会いがなく、諦めかけていました。

そんなある日の夕方、仕事帰りにふらりと寄った近所の小さな熱帯魚屋さんでのことでした。なんとなく水槽の中の熱帯魚を見て癒やされたいなと思っただけでした。店内を一通り見て、そろそろ帰ろうとした時、奥の隅に小さな動物コーナーがあるのに気づきました。何となくのぞいてみると、白と茶色の体毛をした小さな子猫がいました。生後2か月くらいの、まだふわふわの毛に包まれた子でした。
大きな丸い瞳がこちらをまっすぐ見つめて、他の子猫たちとは少し違う落ち着きがありました。一目で心を奪われました。その瞬間、頭の中に浮かんだ名前が「ちくわ」でした。
なぜちくわなのか、自分でも不思議ですが、白と茶色の練り物のちくわにそっくりで、おなかだけぽっこりしたところや愛らしい顔立ちが、ひらがな3文字の「ちくわ」の響きにぴったり合うと思ったのです。
なんだか親しみやすくて、でもどこかかわいらしくて。その場で「この子はちくわだ」と決めました。店員さんに「この子を連れて帰れますか」とたずね、手続きを済ませ、その日のうちに引き取ることにしました。
帰りは自転車の前かごに段ボール箱をのせて、ゆっくり家までこぎました。道中、何度も箱をのぞき込んで慎重に運びました。家に着いて箱を開け、床に下ろすと、ちくわは一瞬周りを見回しただけで、何の迷いもなく歩き出しました。床に落ちたポリ袋に飛び込んでガサガサ遊んだり、玄関で靴ひもをくわえて引っ張ったり。高いところにはまだ登れないのに、好奇心だけは誰より旺盛で、部屋の隅々を自分の庭のように探検していきました。
そして、ひとしきり遊んだ後、リビングの真ん中で突然ゴロンと寝転がり、気持ちよさそうに毛づくろいを始めたのです。その姿を見た瞬間、もうこの家を自分の居場所だと認めてくれたのだと感じました。子猫とは思えないほど肝が据わっていて、
ちくわを迎えて、気づけば5年です。一人暮らしの寂しさを埋めてくれただけでなく、毎日ユーモアあふれる行動で、私を優しい気持ちにしてくれます。(ヘアメーキャップアーティスト 太田晴也)
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