太田晴也、愛猫「ちくわ」がもたらす温かさが、日常を深く豊かにしてくれる
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朝、私が目を覚ますと、猫のちくわ(オス、5歳)は布団の足元で小さな寝息を立てています。丸まった姿勢で私の脚の間にきれいにおさまり、まるで定位置であるかのように眠っています。
私が体を起こそうとすると、振動でちくわも瞬時に目を覚まし、先にベッドから逃げるように飛び出します。寝ぼけて目を細めながらこちらを見上げるのが、毎朝の恒例行事です。
今ではこの一連の動きが、私のスイッチです。ちくわは単なる同居者ではなく、時間の流れに微妙なリズムを刻むパートナーなのです。

自宅の寝室には午前中、窓から強い光が差し込みます。ちくわは時間の経過と共に差す位置のずれていく光で暖を取り、移動しながら毛繕いをするため、彼の位置で時刻がなんとなくわかります。
ひとしきり日光浴をした後、ちくわは古い木製の椅子に鎮座し、毛繕いでとかされた毛並みを自慢げに見せつけます。私は最近購入した割といいカメラで何枚も撮影し、選んだ一枚をSNSに投稿してニヤニヤ。そんな私をよそ目に、ちくわはただ目を細めるだけ。その純粋さが尊いのです。
肌寒い冬の朝、私がストーブの前に脚を伸ばして熱を求めると、ちくわが音もなく近づき、私の太ももの上にそっと乗り込んできます。もちもちなおなかから体温がじんわりと広がり、心まで温まるような幸せな気持ちになります。
外出中は、ペットカメラを通じてちくわの様子をのぞきます。ちくわはほぼ眠りに徹していて、寝返りを打つ、軽く伸びをする、それだけの動きで1日を過ごします。
私が帰宅すると玄関の足音に反応して、ちくわが寝ぼけ眼で現れます。畳の上にちょこんと座り、私が靴を脱ぐのを見つめるちくわ。私が部屋に上がった瞬間、胸元へ飛びつき、両前足を広げて抱っこを求めます。この「ジャンピング抱っこ」は、毎日のおかえりの儀式です。抱き上げると、喉をゴロゴロと鳴らし、きゅるきゅるしたまなざしで見つめてきます。1日の疲労が、その一瞬で溶けていくのを感じます。
家の中では、私が部屋を移動するたびに、ちくわが影のようについて回ります。リビングで仕事に集中しようとすれば膝の上に、キッチンに立てば足元に、トイレの中へさえ入ってきて、私のプライベートはどこにもありません。
ちくわとの暮らしは、ほんわかする穏やかな出来事の連続です。面倒に感じる瞬間もあるけれど、それ以上に、彼がもたらす温かさが、私の日常を深く豊かにしてくれていることに気づきます。朝の目覚めから夜の抱擁まで、ちくわは私に「時間」の質を教えてくれる存在です。(ヘアメーキャップアーティスト 太田晴也)
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