太田晴也、愛猫の抜け毛を集め、日々の暮らしを宝物としてカタチに残す
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猫のちくわ(オス)は気付けばもう5歳。上着のポケットや飲み干した牛乳パックの中に入るくらいの小さな子猫だったのが、去年のことのように感じるくらい時の流れはあっという間です。
スマートフォンの写真フォルダには、ちくわを撮りためた写真がデータ容量の限界まで保存されています。同じ画角で連写したほとんど違いのないカットも無数にありますが、1秒たりとも無駄にしたくないという気持ちでついつい消さずに保存しています。ちくわが破いた押し入れの扉や障子も、修復せずに思い出として残しています。

猫の寿命は15年前後といいますが、ちくわもあと数年でシニア期に突入して……と考えると、本当に時の流れは早いものだと感じます。
そんな「今」を残したいという気持ちが強くなる中で、3年前から始めていることは、ブラッシングのたびに抜け落ちるちくわの毛を、捨てずに小さな瓶に集めること。
ちくわの毛が、少しずつ瓶を満たしていく様子を見ていると、不思議と心が落ち着きます。毎回ちくわの一部だと思いながらブラシを滑らせて、宝物のように保管しています。
瓶の中の毛は、季節ごとに毛質が微妙に変わっていくことに気づきました。春から初夏にかけては少し硬めでツヤがあり、夏の抜け毛は軽くふわっとした感触。秋になると毛先が柔らかくなり、冬は白い部分がより増えて温かみのある色合いになります。抜け毛の量も、体調や気温で日によって違うので、「今日はたくさん抜けたな、元気だな」とか「今日は少なめ、ちょっと疲れてるかな」と、毛の一本一本からちくわの日常を読み取るようになりました。
この習慣を続けていけば、ちくわがシニアになる頃の抜け毛の質も変わってくるはずです。毛が細くなったり、色合いが変わってきたりするでしょう。
そうして年々集めた毛で、いずれ色んな時期ごとのちくわをイメージしたフェルト人形を作れるのではないかと、ひそかにたくらんでいます。子猫時代のふわふわした白茶の毛で作った小さなちくわ、5歳の今のようなツヤのある毛で作った元気な姿、そしてシニア期の柔らかい毛で作ったゆったりとしたちくわ。
完成したら、机の隅や本棚にそっと置いて、なでたいと思います。触れるたびに、あの頃のちくわがそこにいるような気がして、きっと思い出深いものになるのではないかと。
もちろん、寿命のことを考えると少し怖い気持ちもあります。
スコティッシュストレート(立ち耳のスコティッシュフォールドの通称)の平均寿命は10年程度と言われ、一般的な猫より少し短めな傾向があると知ってからは、なおさら「今」を大切にしたいと思うようになりました。(ヘアメーキャップアーティスト 太田晴也)(おわり)
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