安倍内閣の外交・安保支えた谷内正太郎氏「高市首相はトランプ氏に最も信頼されている」「戦略的にリーダーシップ発揮」

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[政治の現場 高市政権半年]

  ――高市政権の外交政策をどう評価するか。

 「責任ある日本外交」を打ち出し、日米同盟を基軸にインド太平洋や中東、欧州、グローバル・サウス(新興・途上国)の国々とも電話会談を含め、首脳外交を積極的に進めている。安倍政権時代にできた国家安全保障会議(NSC)も頻繁に開かれており、高市首相は外交・安全保障分野で戦略的にリーダーシップを発揮していると思う。

1969年外務省入省。総合外交政策局長や外務次官を歴任。2014年に初代の国家安全保障局長に就任し、19年まで安倍内閣の外交・安保政策を支えた。現在はシンクタンク「富士通フューチャースタディーズ・センター」理事長。82歳。
1969年外務省入省。総合外交政策局長や外務次官を歴任。2014年に初代の国家安全保障局長に就任し、19年まで安倍内閣の外交・安保政策を支えた。現在はシンクタンク「富士通フューチャースタディーズ・センター」理事長。82歳。

 国会もあって首相が海外を飛び回るのは容易ではないが、首脳外交の重要性は増しており、首脳同士の信頼関係を深めるためにも、対面での会談をさらに増やしてほしい。

  ――首相は米国のトランプ大統領と良好な関係を構築している。

 安倍晋三・元首相とトランプ氏は他国がうらやむほどの関係を築いたが、高市首相もうまく対応し、海外の首脳の中でも最も信頼されているのではないか。首相は米国で勤務した経験があり、米国人に好意的に受け入れられる言動をよく理解していることがトランプ氏に良い印象を与えていると思う。

 米国の国力が相対的に低下する中、米国内では、自助努力を何よりも重視し、同盟国であっても、自国を守るための努力を怠る国は助ける必要がないとの考えが広がっている。日本の防衛力や継戦能力、防衛産業基盤を抜本的に強化することは我が国にとって極めて重要だが、日米関係を強固なものにするためにも不可欠な努力である。

  ――安倍氏が「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想を発表してから今年で10年になる。

 FOIPは多くの国から賛同を得ることができたが、具体的な行動で実装化していくことが重要である。中東情勢の緊迫化を受け、日本政府がアジア各国に総額約100億ドル(約1・6兆円)の金融支援を行うと決めたことは、FOIPを実装化する一例だ。

  ――ホルムズ海峡の安全な航行の確保に向け、日本は何をすべきか。

 首相は、ホルムズ海峡の安全な航行確保に「貢献する用意がある」とうたった共同声明に加わる決断をした。戦時下で日本が果たせる役割には限界があり、現時点では停戦やホルムズ海峡の封鎖解除を含め、平和的解決の重要性を外交的に強くアピールすることが大切になる。

 ホルムズ海峡に機雷が敷設されているとの情報もある。日本経済にとって深刻な事態だ。停戦後に米国とイランが機雷の掃海を望み、国際社会としても協力して取り組む機運が生じるなら、日本として協力を拒む理由はないのではないか。

  ――首相の台湾有事を巡る国会答弁で、日中関係は冷え込んでいる。

 首相の答弁は従来の安保体制の枠を外れた考え方ではなく、中国は過剰に反応して政治利用している面がある。とはいえ、今は情報戦や認知戦が盛んに行われており、国会での質疑応答を政治利用する勢力が内外にあることを前提とする配慮が必要だ。

 台湾は日本にとって地政学的に極めて重要であり、台湾海峡で武力衝突の危険性が高まると、先島諸島を始めとした南西諸島では住民が避難を強いられる可能性もある。日本にとっても、台湾は非常に敏感な問題であることを国際社会に理解してもらえるよう、しっかりとした戦略的コミュニケーションを行うべきだ。(聞き手・傍田光路)

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