受験シーズン到来、これまでの努力信じて最後まで「ファイト!」
完了しました
中学、高校、大学の受験シーズンが到来しました。推薦入試などですでに合格が決まった人もいれば、これから正念場を迎える人もいるかと思います。それがすべてではありませんが、自分の人生を考えるうえで、受験が大きなイベントであることは間違いありません。読売新聞朝刊の投書欄「気流」にも「受験」に関する投書が寄せられています。記者の心に刺さった投書を紹介する「ササる投書」、今回のテーマは「受験」です。(※投稿者の年齢や職業などは掲載当時。紙面では実名で掲載)
本番まで1か月 全力尽くしたい
受験勉強の追い込み中だ。遅くまで塾の日も多く、目の下にくま、肩こり、頭痛の日もある。
「さあ、もう今日は終わりにするか」と視線を上げると、机の隅に、消しゴムのカスや使い切ったシャープペンシルの芯の小山が、度々できていた。苦しい日々が続くと「何のためにこんなに頑張っているのだろうか」と、心が迷ってしまうことがある。そんな時、この小山が励ましてくれた。僕が「頑張った証し」だと、思えたのだ。
本番まで1か月を切った。まだやれることはある。(15歳・中学生=東京都、2021年1月19日掲載)
家中のみんなで息子バックアップ
受験シーズン真っただ中、中学校3年生の息子は今、志望校に合格しようと懸命です。少しでも協力できることはないだろうかと、家族みんなでバックアップしています。

先日は、第1志望の公立高校受験に必要な内申点に直結する定期テストがありました。今まで子どもの勉強をみることはありませんでしたが、夜中まで付き合い、「よく覚えているなあ。すごいやん」とほめるなど、励ましました。きょうだいたちも静かにし、高校生の長男や私の母も勉強を少しみてくれました。
定期テストは思うようにはいきませんでしたが、3月半ばにある公立高校の入試に向け、気を取り直して頑張っています。受験は、息子にとっては試練であり、大きく飛躍するチャンスでもあります。栄養や体調を気遣うなど、母親としてできるだけのことを心がけています。
緊張感の中、合格という一つの目標に向かい、励ましたり、気遣ったりしてふれ合うことで、家族のありがたさをそれぞれが深く感じています。(48歳・主婦=大阪府、2008年2月14日掲載)
不安を乗りこえ、自分の道切り開く
いよいよ受験シーズンが到来した。私自身の大学受験も目の前である。
先日、同い年の友人と電話で話した時、彼女の口から思いがけないことを聞いた。試験が近付くにつれて不安で勉強が手につかず、自分に自信が持てなくてつらいというのだ。
彼女には十分な実力があり、何より本命は国立だから私立は気楽に受験するのだろうと思っていたので驚いた。そして、彼女いわく。「だって、この受験で人生すべて決まっちゃうんだよ。私、女だし浪人できないよ。そう思うと不安で、不安で……」
確かに、塾や予備校から頻繁に送られてくるダイレクトメールや、駅などで見かけるポスターは、私たちに「合格」の2文字をいやというほど印象づける。
学校の関心も結局は合格実績であり、そんな中で私たちは、不合格とは人格を否定されることではないかとさえ考えてしまう。
けれど、そのような圧力を感じたとしても、結局、打ち勝たなければならないのは自分なのだ。自分の道は自分で切り開く。だれが何と言おうと自分さえ納得できる人生を送れれば良いのだと思える強さが必要だと思う。
受験は精神面でも超えなければならないハードルなのだな、とつくづく感じた友人との会話だった。(17歳・高校生=神奈川県、1999年2月13日掲載)
長男長女のダブル受験、親も悩み
わが家では今年、長男が大学、長女が高校を受けるダブル受験を体験した。ほとほと疲れた。長女は第1志望に合格した。私も暇を見つけては娘の勉強に付き合ったので、会社を休んで見に行った合格発表で長女の受験番号を見つけた時は、自分が合格したかのようにうれしかった。
一方、長男の方は第1志望に落ち、第2志望に行く行かないですったもんだした。本人は「一浪して初志を貫徹したい」と主張したが、私は「どこの大学を出たかではなく、何を学んだかが大切だ」と主張して、一日も早く新しい勉強を始めることを勧めた。高校の担任や塾の先生にも相談したが、意見が割れた。
結局、長男は第2志望への入学を選んだが、妻には「思うようにさせてやりたかった……」と泣かれてしまった。私自身、子供の気持ちを尊重することと、人生の先輩としてガイドラインを示すことの間で悩んだ。
どちらの選択が良かったのかは、だれにも分からない。「人目ではなく、自分の中の問題だ」と手紙に書いて息子に贈った言葉が、私の唯一のよりどころとなっている。
どの家庭にも、受験の際にはこれに似た大変さがあるだろう。春の到来とともに、悲喜こもごもの受験戦争も、もうすぐ終わる……。(50歳・会社員=東京都、1998年3月20日掲載)
忘れられぬ前夜の激励
今の季節になると思い出すことがあります。5年ほど前、大学受験のために上京したときのことです。
東京へ行くのも大学入試も初めて。そのうえホテルに泊まるのも初めてということで緊張し、不安と孤独感で試験どころではありませんでした。
試験前夜、ホテル近くのそば屋に入りました。すると店の奥さんが「私のおいも、あなたが受ける大学に通っているのよ」といって食事をごちそうしてくれました。さらに、いろいろな話をして励ましてくれました。奥さんの優しさは本当に心にしみました。その時受験した大学には合格しましたが、結局、入学は別の大学を選びました。
半年後、無事進学できたことを奥さんに知らせたいと思い、その店を訪ねました。しかし、店はなくなっており、お礼を言うことはできませんでした。あの時の奥さんの優しさや励ましから「いつも心に優しさをもって、自分を信じ、前向きに頑張る」ことの大切さを学ぶことができました。
私は大学生活でいろいろなことを学びましたが、本当に大切なことを教えてくれたのはあの奥さんだったように思えてならないのです。あの時に学んだことを、いつまでも忘れたくないと考えています。(23歳・自営業=栃木県、1997年2月5日掲載)
担当記者より
受験勉強は孤独な戦いですが、見守る家族や仲間との絆を改めて感じる人も多いようです。すべての受験生にエールを送りたいです。「ファイト!」(伊藤)
「ササる投書」を随時掲載します。次回もお楽しみに!
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