【春キャンペーン開始】
マーケを学ぶなら日経クロストレンド。今なら最大2カ月無料です。


「TikTok売れ」という言葉に代表されるように、「興味から購買行動に」ユーザーの態度変容を促すプラットフォームとして定着、今やTikTokは若年層向けの商材だけでなく様々な業界でその活用が進んでいる。堅いイメージのある金融業界においても例外ではない。みずほ銀行は2023年2月から5月にかけて、TikTokを用いたプロモーションを展開した。その狙いは? そしてどんな手ごたえを得たのか。みずほフィナンシャルグループの柳田晃嗣氏、そしてTikTok for Businessの西木隆行氏と仲村健氏に話を聞いた。

協力:TikTok for Business

左からTikTok for Business Japan 仲村健氏、みずほフィナンシャルグループ 柳田晃嗣氏、TikTok for Business Japan西木隆行氏
左からTikTok for Business Japan 仲村健氏、みずほフィナンシャルグループ 柳田晃嗣氏、TikTok for Business Japan 西木隆行氏

23年2月1日から5月末にかけて、みずほ銀行は「未来へ踏み出す新生活応援キャンペーン」と銘打った大型施策を実施した。これは、新規の口座開設やみずほ銀行のサービスの利用など各種条件を達成した方全員に豪華商品がプレゼントされるというもの。施策のプロモーションとして、テレビCMやサイネージ、ポスターといった様々な媒体を通じた広告展開も行ったが、そこに初めてTikTokを加えた。

柳田晃嗣(以下、柳田) 銀行のサービスや金融商材にもシーズナリティーがあります。それぞれ時期は異なるのですが、分かりやすいのは口座開設。大学への入学、就職、転勤といった、新生活が始まる2月から5月末までに開設される方が多い。転勤の場合は世代を問いませんし、転職で口座を開設される方もいらっしゃいますが、母数が大きいのは新入学や新社会人の若い世代です。こういった層にみずほ銀行を知っていただき、振り向いていただくためには、どのようなプラットフォームでメッセージをお伝えしていくべきなのか。これは、いつも課題として持っていました。

 TikTokが、実は若者だけではなく、幅広い世代に利用されるプラットフォームであるということは理解していましたが、本当にどういった方々へリーチできるのかは、我々が実際にやってみなければわからない。そう考え、今回のキャンペーンで活用させていただきました。

みずほフィナンシャルグループ リテール・事業法人カンパニー 副カンパニー長/執行役員 柳田晃嗣氏
みずほフィナンシャルグループ リテール・事業法人カンパニー 副カンパニー長/執行役員 柳田晃嗣氏

エンターテインメント系のコンテンツが多いイメージのTikTok。堅い印象があり、信頼性を重視する金融業界との親和性についてはどのように考えているのだろうか。

西木隆行(以下、西木) 実は、TikTokでは金融に関する動画投稿が伸びているのです。資産形成あるいは株式投資といったものをTikTokクリエイターがわかりやすく伝えてくれています。

柳田 私も見ているのですが、「なるほど、こういう風にすると伝わりやすいかもしれない」と参考になるものも多いですね。

西木 特に最近では、新NISA(少額投資非課税制度)制度の開始にともなって多くのクリエイターがNISA関連の動画を投稿しており、昨年比でその視聴回数は9倍、投稿数は4倍の伸びを示しています。

TikTok for Business Japan Global Business Solutions, Strategic Accounts Manager, Finance 西木隆行氏
TikTok for Business Japan Global Business Solutions, Strategic Accounts Manager, Finance 西木隆行氏

柳田 「金融」と聞いた瞬間に、「勉強しなきゃ」と思われる方も多いのは事実です。本来そうあるべきではないとは思うのですが、逆にそういったお客様が多いからこそ、きっかけ作りをきちんとしなければいけない。TikTokを通して「まず、やってみる」と思っていただけるのではないかと考えました。

* TikTok for Business調べ。23年1月対24年同月比

今回のTikTokを活用したプロモーションで、みずほ銀行が期待した狙いの1つは、先に柳田氏が述べた「認知」。加えて、みずほ銀行が運用するアプリへの誘導も狙った。

仲村健(以下、仲村) 本施策では、まず、広いユーザーにリーチできる認知型広告を行っていただきました。

柳田 そこではTikTokに合ったコンテンツを作成することができるか、が肝になると考えていました。

西木 その通りだと思います。TikTokはショートムービープラットフォームなので、最初の数秒で、ユーザーの印象に残る構成であることが必要ですね。

仲村 みずほさんの場合、テレビCMでタレントさんを起用されておりますし、ブランドキューと呼ばれる、ブルーのカラーもお持ちですので、そういったブランドカラーやストーリー性を用いて、ユーザーに認知を広げるようなクリエイティブをお伝えさせていただきました。

柳田 内容的にはテレビCMと近いものです。全くの別物だと、同じキャンペーンだという印象が薄れてしまいますので。ただ、同じタレントの方が出てコミュニケーションしていても、トーンが違う。テレビの場合はストーリーが長く、またタレントさんと視聴者の距離感が少し離れている印象です。TikTok向けのクリエイティブに関しては、まず距離感が近い。そして、短い時間で「みずほだと口座開設が楽だよね、簡単だよね」といったメッセージをクリアに伝える。

広くユーザーにリーチを図る認知型広告では、TVCMと同じタレントを起用して、同じキャンペーンであることを印象付けた
広くユーザーにリーチを図る認知型広告では、TVCMと同じタレントを起用して、同じキャンペーンであることを印象付けた

仲村 併せて、みずほ銀行様のアプリを使っていただくことを目的とした広告も実施いただきました。

柳田 みずほ銀行では、振り込みや残高確認などができる通常のスマートフォンのアプリを提供していますが、これとは別に口座開設用のアプリもあります。どちらが、どのように使われ始めるのかというところも非常に高い興味・関心がありました。様々な広告メディアで、同じクリエイティブや広告宣伝を展開することで違いを確認したいと考えたのです。

仲村 口座開設アプリのプロモーションに関しては、アプリインストールの広告を活用いただきました。動画からアプリストアに遷移する仕組みになっています。

TikTok for Business Japan Global Business Solutions, Strategic Accounts Client Partner, Finance 仲村健氏
TikTok for Business Japan Global Business Solutions, Strategic Accounts Client Partner, Finance 仲村健氏

今回のプロモーションでは、調査会社のKANTAR JAPANが提供する、メディア効果測定ソリューション「クロスメディアリサーチ」を実施した。これは、テレビも含めた各媒体の効果を同じ物差しで図る調査。柳田氏も驚くほど、プラットフォームの特性が明確に出たという。

柳田 テレビはリーチに関しては貢献しますが、特に若年層に対してはSNSや動画配信サービスが勝る場合もあります。さらにフリークエンシーに関してはオンラインプラットフォームが一日の長があります。TikTokは、みずほのオンラインサービスご利用への影響度が高いという結果でした。

西木 その結果、投資効率の高いプラットフォームはTikTokという結果が出ておりまして。KANTARの調査では「みずほ口座開設&手続きアプリ」「みずほダイレクトのアプリ・Webサイト」の広告認知を中心としたサービスの認知指標におけるTikTokの貢献度が+51%と良いスコアでした。テレビリーチ補完率(TikTokの全リーチに占めるテレビからのインクリメンタル率)に関しても39%、コストパフォーマンスも他プラットフォームよりも良いという結果も出ています。

※データソース:KANTAR JAPAN「クロスメディアリサーチ」
※データソース:KANTAR JAPAN「クロスメディアリサーチ」

柳田 TikTokによって「口座開設=みずほ」を認知していただき、さらに具体的なアクションにもつながるプラットフォームだということが数値にも現れました。特に、先ほど申し上げた新生活を迎えられる人が多い世代での効果が他プラットフォームよりも非常に高かったのが特徴的でした。

 TikTokは目から入るインプットの濃度が濃いのだろうと想像しますね。スマホをいじって“ながら見”するのではなく、TikTokは集中して見ているので視野のシェア率が非常に高い。そうすると情報も記憶に残るのかなと。

西木 我々も、TikTokはワンリーチの価値が非常に高いプラットフォームだと思っています。1つひとつの動画のインプレッションが非常に高く、ワンリーチの価値が高いので、つまりコストパフォーマンスにも優れる。そういったことは、今まで我々も定性的には感じてはいたのですが、今回みずほさんが実施されたクロスメディア調査の結果からも立証されたのではないかと思います。みずほ銀行様には大変感謝しております。

改めてTikTokの効果を実感した、柳田氏は「コミュニケーションするプラットフォームの1つとして、TikTokは常に選択肢に入れておかなければいけない」と考えているという。

柳田 例えば、お客様にご紹介するサービスがモバイルアプリに関するものであれば適切なクリエイティブを用意することでTikTokの貢献を期待することができそうだと感じました。

西木 アッパーファネルといわれる「認知」の部分については、タレントさんを起用されたクリエイティブをお持ちなので、TikTokにリサイズした形で発信する形が基本的には効果的と考えております。マーケティングファネルで次に深い階層であるミドルファネルや、ローワー(「獲得」)ファネル向けの施策では、プラットフォームの個性を生かし身近な存在に感じられるクリエイターをキャスティングして、その方からサービスや利用シーンについて発信してもらったりして、ユーザーに自分ごととして、サービスの活用イメージをできるような施策が全体的に増えていますね。

柳田 我々もクリエイターさんを起用したクリエイティブを検討したいと思います。口座開設の場合はターゲットが広いですが、例えば、非常にユニークなサービスをローンチするといった場合は合うと思います。

■お問い合わせ
 TikTok for Business

10
この記事をいいね!する